【プロが解説】企画職に向いている人12個|適性チェックリスト付

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私が書きました 河上 泰之

「どのような人材が企画職に向いている?」
「社内で企画職を募集したいが、どうやって選べばよい?」

このようなお悩みをお持ちではありませんか?

企画職に向いている人を判断する基準として、一般的には性格の特徴や資格があげられていますが、

企画職に向いている人を判断する時は、なによりも「行動」に着目してください。

なぜなら、性格は極めて曖昧で、正しく判断できないからです。

また、資格で判断すると本当に必要な人材を取り損ねたり、必要なものを持っていない人材を取ることになります。

本記事では、人材育成の専門家である私、Beth合同会社代表の河上が企画職に向いている人の行動を12個お伝えします。以下はその一部です。

企画職に向いている人の行動
・トレンドや流行を自分で見聞きして調べるのが好きでやってしまう
・会議の中で先陣を切って発言し続けている
・「とりあえずやってみる」で行動できる
・相手のことに興味関心を持って話ができる
・失敗しても投げ出さずにまたそこから始められる
・計画を立てる力がある

など

いかがでしょう。当てはまりますか。

記事の後半では、企画職に向いている人を採用する際に使える適性チェックリストもご紹介していますのでぜひ使ってみてください。

本記事でわかること
・企画職に向いている人の特徴
・企画職に向いていない人の特徴
・企画職の適性チェックリスト
・チェックリストを網羅する人材がいなくてもチームを作れば成功できる

性格のような曖昧な特徴ではなく、向いている人の本質的な部分をお伝えしているので、この記事を参考にすれば、本当に活躍できる人材を見抜けます。ぜひ最後まで読み進めて役立ててください。

1.企画職に向いている人とは?

企画職を育てる場合、また企画職を採用する場合にまず理解しておく必要があるのが、企画職に向いている人の特徴です。この章では、適した人材を選べるように、以下のことについてお伝えしていきます。

フォーカスすべきは「行動」|性格や資格で判断できない
・企画職に向いている人の行動12個

企画職を育てる側が絶対に知っておくべき情報です。

1-1.フォーカスすべきは「行動」|性格や資格で判断できない 

企画職に向いている人の特徴について、一般的には性格や資格などが紹介されています。しかし、性格や資格は、判断基準として相応しくありません。

なぜなら、性格という判断基準は極めて曖昧なものだからです。

例えば、企画職に向いている人の性格の特徴として、以下のようなものをよく目にします。

・トレンドや流行に敏感な人
・発想力がある人

「トレンドや流行に敏感な人」を判別するのは、とても難しいです。敏感の程度もよくわからないので、「言われてみたら気になるかも」のような人まで含まれてしまう可能性があります。

発想力については、ないと断言する方が難しい内容です。

また、資格についてですが、企画職に資格は必要ないので、判断基準にはなりません。

このように、性格で判断すると、その基準がすごく曖昧になりますし、資格で判断すると本当に必要な人材を取り損ねたり、必要なものを持っていない人材を取ることになります

ですから、企画職に向いているかは性格や資格といった観点ではなくて、行動で判断してください。行動はやるかやらないか、やっているかやっていないかなので、判断しやすいです。

<行動で判断すると、企画職の仕事を苦痛なくできる人を見極められる>

企画職に向いている人を行動で判断すると、やれと言われた時に、苦じゃなくできる人を選べます。

行動は、やるか、やらないかで、行動で判断するとやる人を選べるからです。

企画職の仕事を苦痛に感じてしまうような人は、企画職に向いていないし、育ちにくい可能性があります。

指示せずとも自発的に行動できる人が好ましいですが、指示されて積極的に取り組める場合も適性があると判断できます。

言われたら嫌だけどできなくはない、のような人は向いていないので、企画職にはおすすめできません。

1-2.企画職に向いている人の行動12つ

企画職に向いている人の行動は、以下のとおりです。

企画職に向いている人の行動

1トレンドや流行を自分で見聞きして調べるのが好きでやってしまう
2会議の中で先陣を切って発言し続けている
3自社の商品を自ら使うほど会社が好き、サービス残業をするほど会社が好き
4「とりあえずやってみる」で行動できる
5相手のことに興味関心を持って話ができる
6何年も調べ続けていることがある
7失敗しても投げ出さずにまたそこから始められる
8大量の文字データを見て、書かれている内容を理解できる
9計画を立てる力がある
10新しい業務の手順書を作れる
11現状と理想の差について普段から明瞭に話せる
12細かいタスクが連続する中で、作業の切り替えができる

それぞれ解説していきます。

1-2-1.トレンドや流行を自分で見聞きして調べるのが好きでやってしまう

企画職は、トレンドや流行に興味があって、その興味を行動に移せている人が向いています。

企画職では課題解決を目的に戦略を立てますが、その際に市場のトレンドや流行を取り入れて開発したり、ブランディングをしたりすることが求められるからです。

ただし、一概に「トレンドや流行を自分で見聞きして調べるのが好き」といっても、その行動にはレベルがあります。

一般的なのは、トレンドや流行の情報を雑誌などで見たり読んだりするのが好きな人です。誰かがまとめてくれたものを見たり読んだりして調べます。

さらにレベルが高いのは、自分で街中に行って、「これがトレンドだろう」「これが今流行っているのか」と調べる人です。誰かがまとめてくれたものを見るだけにとどまらず、自分で見つけてくるのが好きな人は、より企画職に向いています。

いずれにしても、重要なのは、「好き」という気持ちを行動に移せているかどうかです。実際に行動できている人が、企画職に向いています。

1-2-2.会議の中で先陣を切って発言し続けている

会議で先陣を切って発言し続けている人は、企画職に向いています。

自らの考えを誰よりも先に発言できる人は、発想力がある人だからです。

ここで重要なのは、以下の2つです。

・会議の中で先陣を切って発言している
・発言し続けている

この2つの行動をしているかどうかが大事です。

発想力がある人は、話をするときに「こういう問題があって、それをこうやったら解決できるよね」と、解くべき問題の話とその解き方をバラバラに、しかも率先して話します。

ずっと黙っていて最後に良いこと言う人は、発想力があるわけではないので要注意です。

1-2-3.自社の商品を自ら使うほど会社が好きな人、サービス残業をするほど会社が好き

会社や商品に対する強い思いを行動に表している人は、企画職に向いています。

単純に、会社や商品のためなら一生懸命やってくれるからです。

現在進行形で次の行動をしている人は、これに該当すると判断できます。

・会社の商品をたくさん買っている人
・低賃金でも会社のためなら働くという人
・サービス残業をしている人

自社のマニアといえるような人は、企画職に向いている要素があると判断してください。

1-2-4.「とりあえずやってみる」で行動できる

「とりあえずやってみる」ができる人は企画職に向いています。

いわゆるチャレンジ精神が旺盛な人や、行動力がある人と言われる人で、新しいものを生み出すことに向いているからです。

では「とりあえずやってみる」ができる人をどのように見分けるかというと、以下に当てはまるかどうかで判断できます。

・上司や隣の部署の偉い人たちにすぐに連絡ができる
・お客さんとやり取りしている中でわからないことがあると、すぐに上司などに電話して聞ける

困りごとに出会ったときに、上記のような行動が取れる人は、行動力があるので、企画職に向いています。

逆に、上司が言っていることがわからない時や、お客さんが言っていることがわからない時に、必死に自分の中で読み込んで「こういうことかな?」と勝手に解釈していくような人は、行動力もチャレンジ精神もないと言われがちで、企画職に向いていません。

1-2-5.相手のことに興味関心を持って話ができる

人とコミュニケーションを取るのが好きな人で、なおかつ相手のことに興味関心を持って話ができる人は、企画職に向いています。

企画職では、相手のことを知ろうとすることがとても大事だからです。

では、相手のことに興味関心を持って話ができる人とは、具体的にどのような人でしょうか。

相手のことに興味を持って話せる人は、相手のことを話題にします。

例えば、「そういう判断をするのはなぜなんですか?」や「どうしてそれが好きなんですか?」など、相手について話を聞く話題の使い分けができている人は、人が好きで、コミュニケーションを取るのが好きであると評価できます。

一方、天気の話のように、お互いのことに触れず、なんとなくの話題でしか会話を続けられない人は、そもそもコミュニケーションを取るのが好きではない可能性が高いです。天気やドラマなど、お互いのことではないけど話題にできそうなことがあるからなんとなくコミュニケーションを取れているだけで、相手に興味も関心もないと考えられます。

このことについて確認したい場合は、対象者に「所属している組織の人それぞれについて、問題ではないけどその人がやりたがることってなんですか?」と聞いてみてください。答えられる人は、人とコミュニケーションを取るのが好きな人であり、さらには人を巻き込む力がある人です。相手のことに興味関心を持って話ができる人と判断できます。

1-2-6.何年も調べ続けていることがある

心残りがあって、結果が出るかどうかわからないけど、何年も調べ続けていることがある人は、企画職に向いています。

企画職には、すぐに結果が出なくても粘り強く続けることが求められるからです。

調べ続けているとは、毎日やり続けるという意味ではありません。思い出したかの如く暇になったときに調べてみたり、誰かと話している中で思い出して議論してみたりすることです。それをやっているかどうか、今この瞬間、何か思い当たることがあるかで判断できます。

調べてもわからないのだけどと言いながら、自分の中で持ち続けていることが粘り強く続けられるということで、企画職においてはすごく大事なことです。

1-2-7.失敗しても投げ出さずにまたそこから始められる

失敗しても投げ出さずにまたチャレンジしようと思える前向きな気持ちがある人は、企画職に向いています。

企画職はうまくいかないことも多い中でも、現実から目を背けずに邁進し続けることが求められるからです。

例えば、自分の中で整合性が取れている事柄のパズルが崩れた時、「崩れてしまったものは仕方ない。でもここだけ残っているからまた始めよう」と思える人は、メンタルが強く、失敗してもチャレンジし続けられます。

一方、自分の中で辻褄を合わせてパズルを組み立てたがる割に、それが崩れると「もういい!ダメだ!このパズル終わり!」となる人は、メンタルが弱く、失敗すると投げ出してしまいがちです。辻褄合わせが得意で行動しない人は、Google検索や書籍の中からだけ情報を取ってきて論を組み立てるので、現実の情報を取り入れて組み立てることを行いません。そのため現実から目を背けがちであり、現実世界の情報に目を向けることがないので、企画職には向いていません。

1-2-8.大量の文字データを見て、書かれている内容を理解できる

小説など大量の文字データを見て、そこに書かれている内容を理解できる人は、企画職に向いています。

企画職はデザイン思考を必ず使いますが、その際をはじめ、文字データを理解する力が必要な職種だからです。

例えば、デザイン思考を使う際はインタビューが欠かせませんが、文字データを理解する力があってはじめて、相手がどのように感じていて、何を考えているか読み取れます。

大量の文字データといっても、小学校卒業程度の国語力があれば大丈夫です。「この時、筆者はどう思っていましたか?」や「この時、主人公はどのような感情だったでしょうか?」のようなことを理解する力があれば、相手がどのように感じ、考えているかを読み取って、相手の課題が何かを理解できます。

また、その程度の国語力があれば、直接発話していないことを身振り手振りから感じ取って、本当はどう思っているかを推察できるので、問題ありません。

1-2-9.計画を立てる力がある

企画職には、計画を立てる力が欠かせません。

なぜなら、企画職が物事を前に進める際、前に進めることを許可する人を納得させることや、話を聞いている人の頭の中で辻褄が整うことが必要だからです。

例えば、話を聞いた人が、「確かにその順番でやったら完成しそうだよね」と相手の頭の中で辻褄が合うと、前に進むための許可が取れます。逆に辻褄が合わず、「それで本当にうまくいくの?」と思われると、許可が出ないので前に進めません。

要するに、企画職では、話を聞いている人の頭の中で辻褄が合うように物を組み立てる力、計画を立てる力があるかどうかが重要です。

計画とは、何をいつまでにどの順番で進めていくのかです。計画を立てる力があるかどうかは、「確かにその通りにやると、いつまでにできそうだよね」と、話を聞いている人の頭の中で辻褄が整うようなプランニングを、今の仕事の中で発揮しているかで判断してください。

1-2-10.新しい業務の手順書を作れる

新しい手順書を作れる人は、企画職に向いています。

新しい手順書が作れる人は、ロジカルシンキングができて、前項目でお伝えした計画を立てる力もある人だといえるからです。

ロジカルシンキングとは、よくわからない難しいものだと思いがちですが、結局は相手の頭の中で辻褄を合わせられるかと、仕組みが作れるかどうかです。

業務マニュアルを見て、流れが悪い箇所をパッと見抜けたり、新しい業務の仕組み、手順書を作れたりする人は、ロジカルシンキングを使いこなせています。れる、られるだと、可能性の話になってしまうので、判断する際は、実際に作っているかどうかをみてください。行動しているかどうかが重要です。

作ることをすでに他人に依頼されている人は、それができることを認められている証拠になります。

1-2-11.現状と理想の差について普段から明瞭に話せる

現状と理想の差について明瞭に話せる人は、企画職に向いています。

なぜなら、それができるだけでアイデアにする企画力があると判断できるからです。

アイデアとは現状と理想の差を埋めるための方法論です。企画職はアイデアを生み出さなければいけないので、何の役に立つのか、現状と理想の差はなんなのか、現状はこれで理想はこれで、それを埋めるためにはこんな方法論がありますよ。ということを提示できる必要があります。

初めはできなくても、せめて現状と理想の差くらいは普段から明瞭に話せていると、企画力があって企画職に向いていると判断できます。

1-2-12.細かいタスクが連続する中で、作業の切り替えができる人

1つのタスクが完了していないままに取っておいて、他のタスクに着手することを普段からやっている人は、企画職に向いています。

企画職は、小さなタスクが並行して発生するからです。

例えば、前のタスクが完了していない宙ぶらりんな状態でも、切り替えて次の作業をできることが重要です。必要なら前のタスクに戻ったり、完結しなくても次のタスクに進んだりすることを、「完結しないと気持ち悪い」ということを抱えずに普段からできていると、細かい作業がいっぱい連続する中で、作業の切り替えができると言えます。

「なんだか気持ち悪いな」と感じながら複数のタスクをやっている人は、マルチタスクをできているとは言えないので、企画職において求められるスキルを満たせていないと評価してください。

1-3.まとめ:企画職に特に向いている人とは

ここまでお伝えした行動を総合的に評価して、企画職に特に向いている人は、以下の特徴を全て満たしている人です。

・面白そうだからやってみようと思える人
・チャレンジ精神が旺盛な人
・行動量が多めな人
・辻褄を合わせることが得意で楽しめる人

ロジカルシンキングなどももちろん必要ですが、それは後からついてきます。絶対やったほうがよいのは、人の話を聞いていて、「そんなふうに思っているならやればいいのに」と思うような人たちです。「楽しそうじゃん」「やればいいじゃん」と純粋の思える人は、企画職に就いて自分で企画立てて、もらった許可で楽しめるので、向いています。

また、辻褄を合わせることに固執することはよくないですが、話を聞いている人の頭の中で辻褄が合わないと「OKやっていいよ」とはならないので、辻褄を合わせることもできなくてはいけません。それさえもちょっと楽しめて、なおかつ上記のような人は、企画職に特に向いていると判断できるので、ぜひ採用してください。

2.企画職に向いていない人の特徴

 

1-2の各項目の中でも向いていない人については触れていますが、ここでは採用をやめておいた方が良いといえるような、企画職に向いていない人の特徴についてお伝えします。

企画職に向いていない人の特徴は、以下の5つです。

1 1つの企画に思い入れを持ちすぎる人
2 企画案が却下されたときに、不機嫌になる人
3 数字が好きではない人
4 自分の都合で辻褄を合わせるのが得意な人
5 行動しない人

それぞれお伝えするので、採用で失敗することを防いでください。

2-1.1つの企画に思い入れを持ちすぎる人

1つの企画に思い入れを持ちすぎる人は、企画職に向いていません。

心に占める割合が高いと、次から次へと案を生み出せなくなるからです。また、却下された時に心が折れてしまい、次に進みにくくなる懸念があります。

例えば、自分の全エネルギーを注いで練り上げたアイデアを会社に提案したところ、上司から「コストが高すぎる」「市場規模が小さい」と却下されてしまうと、「こんなにエネルギーを注いだのに評価されないなら、提案する意味がない」と落ち込み、新しいアイデアを出すモチベーションを失います。

企画職はアイデアを量産しなければいけないのに、これでは役割を果たせません。

企画が当たる当たらないは、確率論です。そのため、大量に案を出して、当たる確率を上げます。このとき、ギリギリ興味がないような、やらなくてもいいような、どうでもよい案を量産することが大事なので、ある意味割り切って企画を出し続けられないような人は、企画職に向いていないと判断してください。

2-2.企画案が却下されたときに、不機嫌になる人

企画案が却下された時に、不機嫌になるような人は、企画職に向いていません。

企画とは、そもそも却下されるものであって、必ず通るものではないので、いちいち怒っても仕方ないからです。

なので、案が却下されて不機嫌になるような人は、概念としての「企画」に対する理解が浅い人と言えます。

企画案は、却下されたところでいちいち怒っていても仕方ないもので、「そっか、そうなんだ」「ふーん、この案はダメなのね」程度に捉えて次に進めないと、企画職としてやっていけません。大事なのは、企画とはそもそも自分にとってはあまり興味がないもので、それでもちょっと関心があるというものを、いかに形にまとめるかです。

このことがわかっていない人が、不機嫌になります。

この文章を読んで理解できたとしても、実際に企画職に就いた際に怒ってしまう人は、頭では理解できているけど感情の整理がつかない人です。そのような人は、企画職に向いていないと判断してください。

2-3.数字が好きではない人

数字が好きではない人、謎の数字の一覧を眺めていることに抵抗がある人は、企画職に向いていません。

企画職は、あらゆる数字を扱う職種だからです。

例えば、 企画職では、ビジネスの実態を把握したり、将来を予測したり、問題を認識したり、目標を立てたりしますが、その際、必ず数字を使います。数字が苦手な人は、これらの業務が苦痛になり、楽しいと感じながら進めることができません。

財務会計の知識までは必要なく、四則演算が問題なくできればそれで大丈夫です。その上で、数字が並んだ一覧を眺めることを苦痛に感じ、楽しいと思えない人は、企画職に向いていないと判断してください。

2-4.自分に都合よく辻褄を合わせるのが得意な人

1章の最後で、企画職が特に向いている人の特徴として「辻褄を合わせることが得意で楽しめる人」とお伝えしましたが、それが自分にとって都合良く辻褄を合わせることが得意な場合、企画職に向いていません。

なぜなら、企画職において合わせるべき辻褄は自分のためではなく、役員の説得など業務を前に進めるためだからです

例えば、AとBで矛盾が生じた時に、その矛盾を解消するためにAをとることを決めて、なおかつそのための辻褄合わせをするような人は、企画職において利益をもたらしません。自分がAを取ることを正当化するために辻褄を合わせているに過ぎず、その行為自体がレベルの低いことです。

そのくらいのレベルで辻褄合わせをする人は、企画職に向いていないので、採用しないでください。

2-5.行動しない人

行動しない人たち、辻褄だけ合わせて行動せずに満足してしまう人たちは、企画職に就かない方がよいです。

企画職では、「とりあえずやってみる」ができるような、チャレンジ精神が旺盛な人が求められていて、このような行動力がないと、新しいものを生み出せないからです。

例えば今の仕事において、お客さんから聞かれてわからないことがあった時、すぐに上司に相談して困りごとを解決しないような人は、行動しない人にあてはまります。

自分の中で勝手に辻褄を合わせて解決してしまうような人を企画職に入れるとうまくいかないので、避けてください。

<例外!行動できなくても必要な人とは>

行動力がない人は企画職に向いていないとお伝えしましたが、例外があります。

それは、辻褄を合わせるレベルがものすごく高い人の場合です。

企画職は役員の説得など業務を前に進めるために、話を聞いている人の頭の中で辻褄を合わせていくことが大事な仕事になります。

例えば、今やっている仕事の中で矛盾が生じた時に、矛盾があるからどちらかを取るのではなくて、両方とも正しいと言えるような別の観点を探した上で、一見矛盾するように見えることをどちらも正しく辻褄を合わせてみせることができる人は、辻褄を合わせるレベルがものすごく高い人で、企画職にとても向いています。

ただし、これはそのレベル限定の話です。そのレベルに至っていない辻褄合わせの人はいらないので、間違えないようにしてください。

3.企画職の適性チェックリスト

企画職に向いている人の行動、向いていない人の特徴を押さえたところで、実際に採用する際に使える企画職の適性チェックリストをご紹介します。

チェックリストは以下の通りです。

<企画職の適性チェックリスト>

チェック項目判断基準

 

・仕組みを作るのが得意で、人間を種類分けするのが好き
※必須
人間に興味関心を持てるかどうか。
「この人、あるいはこの人たちは、こういうのが好き」とラベルやレッテルを貼ることが好きかどうか。
・〇〇とは何か、ということを普段から考えている
※強みになる
1つの単語の意味について、「この単語の定義は一体何なんだろう?」と考えられるかどうか。例えば、「お金とは何か」というようなことを考えるのが好きかどうか。直近こんなのを考えたなというのが1つでもあれば、適性がある。

・いろんな観点の話を繋ぎ合わせることができる
※強みになる
例えば、朝日新聞の天声人語のような、話の論旨がコロコロと変わっていくような話の展開が得意かどうか。
自分の給料が上がらない理由を上司に聞くだけではなくて、経済学などに立ち返ることができるか。
1つの情報でよくある話というだけではなくて、複数繋ぎ合わせることができるかどうか。

・行動が得意
※強みになる

例えば、打ち合わせが終わった後にすぐに動ける人は、行動が得意な人と判断できる。

・辻褄を合わせるのが得意
※強みになる
AかBかじゃなくて、両方とも正しいと言い張れる資料を作り出せるかどうか。
調べたり読んだりして探すのではなくて、自分の頭だけで捻り出せるかどうか。

ここでご紹介した適性チェックリストは、1章でお伝えした「企画職に向いている人の行動12個」に対応しています。どの行動と繋がっているかは、以下のとおりです。

チェック項目繋がっている行動
仕組みを作るのが得意で、人間を種類分けするのが好きな人1.5.9.10.
〇〇とは何か、ということを普段から考えているか2.6.11.
いろんな観点の話を繋ぎ合わせることができるかどうか5.8.9.10.
行動が得意かどうか1.2.3.4.7.12.
辻褄合わせるのが得意かどうか8.9.10.
企画職に向いている人の行動
1.トレンドや流行を自分で見聞きして調べるのが好き
2.会議の中で先陣を切って発言し続けている
3.自社の商品を自ら使うほど会社が好き、サービス残業をするほど会社が好き
4.「とりあえずやってみる」ができる
5.相手のことに興味関心を持って話ができる
6.何年も調べ続けていることがある
7.失敗しても投げ出さずにまたそこから始められる
8.大量の文字データを見て、そこに書かれている内容を理解できる
9.計画を立てる力がある
10.新しい業務の手順書を作れる
11.現状と理想の差について普段から明瞭に話せる
12.細かいタスクが連続する中で、作業の切り替えができる

1番上の項目、「仕組みを作るのが得意で、人間を種類分けするのが好きな人」は、必須のチェック項目です。

通常、ラベルを貼ることやレッテルを貼ることはネガティブなことですが、カテゴリーにまとめることができるのは特殊能力といえます。これがあるかどうかで適性を判断してください。人間に興味もあるし、仕組みも作ることができ、人間を対象に分類できることは、企画職において必須です。これにチェックマークがつくなら、適性があると判断して大丈夫です。

その他の項目は、強みとなる項目です。あるに越したことはないので、より多くチェックがつく人がより企画職の適性があると判断できます。

社内で企画職を選ぶ際や、外部から企画職に向いている人を採用する際などに活用してください。

4.チェックリストに当てはまる人材がいなくてもチームを作れば成功できる

3章でお伝えした企画職の適性チェックリストすべてにチェックが入るような人材は、なかなかいません。しかし、あなたの会社の企画組織作りを成功させる方法があります。

それは、チームを作ることです。

1章でお伝えした「企画職に向いている人の行動」で、企画職に向いている人を見抜き、行動できている人を企画職というものに当てはめるために、パズルのピースを組み立てていけば良いだけです。

行動できる人、つまりチェックリストに当てはまる人を集めてチームを作り、企画職として型に当てはめて、人を組み合わせたり、誰をチームに入れるとうまくいくかを見抜いたりするために、この記事でお伝えした向いている人の行動や適性チェックリストを、面接や社内で使ってみてください。

5.新規事業の組織コンサル、人材開発についてはbethへご相談ください

企画職に向いている人材を選んだ後、チームを作り、育てていかなければいけませんが、自社内で行うのはとても大変です。

※このことについて詳しくは、以下の記事をご覧ください。新規事業の話になりますが、自社で人材を育成する難しさがわかります。

【プロが解説】新規事業の人材育成に必要な2つのスキルと3つの実践

チーム作りや組織コンサルをはじめ、人材開発や人材定着などのお困りごとは、この記事の筆者であり、人材育成の専門家である私、河上が代表を務めるBeth合同会社にお任せください。

あらゆる支援はコーチング型で行うため、いずれチーム作りや人材育成を自社でできるようになります。

費用は500万円〜8,000万円(税込)です。中途採用で人を引き抜いてきて社内に馴染ませるコストが 1人1,600万円という試算が出ているため、コスパも良いです。

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6.まとめ

本記事では、企画職に向いている人の特徴についてお伝えしました。

繰り返しになりますが、企画職に向いている人を判断する際に見るべきなのは、行動です。一般的な記事では、向いている人を判断する材料として性格や資格を挙げていますが、それらは極めて曖昧な上に、資格に至っては必要ないものなので、判断基準にしないでください。

企画職に向いている人を見極めて、組織開発に成功することを祈っています。その上でご不明点がある場合は、お気軽にご相談ください。

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