【これが真実】本当のDXの”目的”とは、自社独自の目的を設定しないことには存在しない

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私が書きました 河上 泰之

「DXの目的ってなんだろう?」
「自社のDXは何を目的に進めればいいのだろう?」

このような疑問をお持ちのかたは、DXの目的の答えがどこかに書いてあるのではないかと思っていませんか?たしかに、検索すれば、なんでも簡単に答えが導き出すことができる、そんな時代です。

しかし結論から申し上げますと、DXの目的は企業ごと、組織ごとに設定する必要があるので、ネットにも書籍にも書かれていないし、講演会でも教えてくれません。

DXの目的

ただ、自社で目的を定めてDXを進めている会社はほとんどないのが現状です。

そこで本記事では、DXの目的を正しく理解して、自社独自のDXの目的を自社で決める方法を知るために、以下のことについてお伝えします。

この記事でわかること

  • DXの目的は「自社独自の目的を定義する必要がある」という真実   ・最も公平な経済産業省が定義する「DXとは?」
  • DXの目的を決める方法とは
  • DX目的の決定がDXの第一歩であり、最も重要な理由

この記事を読めば、DXの目的の本質と、自社の目的を定める方がわかります。

ぜひ最後まで読み進めてください。

1.DXの目的は世の中に存在せず、「自社独自の目的を定義する必要がある」という真実

DXの目的は、企業ごとに異なります。そのため、自社独自のDXの目的を自社で決める必要があります。

繰り返しになりますが、ネット上には、あなたの会社のDX推進の目的の答えは書いてありません!

ただし、「ネット上に答えはない!」と言われても、困惑する方もいらっしゃると思います。

そこで、この章では、ネット上には、あなたの会社のDX推進の目的の答えは書いてありません!と言う言葉の意味がスッと理解できるように、以下の手順で説明していきます。

  • 経済産業省がまとめたDXの定義をもとにDXの目的を読み解く
  • 読み解いた結果、自社独自の目的を定めなければいけないことを理解する

DXの目的の本質について、理解を深めていきましょう。

1-1.経済産業省がいうDXの目的は「他社との競争に勝ち続けること」

経済産業省が発表しているDX推進ガイドラインには、一般的な考えとしてのDXの目的・手段・やるべきことがDXの定義として書かれています。

このガイドラインで特に重要なポイントは『他社との競争に勝ち続けること』です。

経済産業省が定めるDXの定義は、以下の通りです。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応して、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位を確立すること

経済産業省 デジタルガバナンス・コード2.0 より)

とても長くて複雑な定義なので、どの部分が目的なのか、わからないですよね。分解して読み解いてみましょう。

DXの定義

要約すると、経済産業省はDXの目的として、「他社との競争に勝ち続けること」をあげています。

「激しい変化に対応しながら、他社との競争に勝つという目的を達成するための手段として、DXを推進しましょう。」

と、経済産業省は言っているのです。

1-2.DXの目的は自社独自の目的を定めなければいけない

DXの定義で言うところのDXの目的は、「激しい変化に対応しつつ、競争上の優位性を確立すること(他社との競争に勝つこと)」でした。

しかしこれは、あくまでも一般論なので、これをそのまま目的と捉えてDXを推進することはできません。

なぜなら、各社が行っている事業や目指している方向性により、さらされている「環境」が異なりますし、競争相手も変わるからです。あくまでも、自社にとっての「環境の変化」や、自社にとっての「競合とは誰か」を定める必要があるのです。

繰り返しになりますが、経産省のDXの定義は日本中の企業や組織を対象に書かれているため、DXの目的は抽象的に「競争に勝て」としか書かれていません。

そのため、各社とも自社なりのDXの定義を定める必要があります。

経産省のDXの定義にある目的は、各社・各組織として実際にDXを進める際に目的に据えるには漠然としすぎていて、ゴールとして機能しません。

ゴールが曖昧な状態で取り組みを始めると、曖昧なものを目指すことになり、よくわからない結果になってしまします。これが、あなたの会社、組織でDXがよくわからない結果になっている理由です。

ですから、

ということです。

繰り返しになりますが、DXを推進したい企業は、「DXの目的は、ネットにも、書籍にも、講演会にもない」という真実を受け止め、自社なりのDXの目的を定めましょう。

2.ほとんどの人がDXすることを目的としている

自社なりのDXの目的を楽に定めるためには、デジタルトランスフォーメーションって具体的にはどんなことなのか、そのイメージを知っておく必要があります。逆にイメージがないと、自社なりのDXの目的を決めるのが難しくなります。

そこで、自社独自の目的を決めるために、DXではどのくらいの変化が求められるのか、理解を深めていきましょう。

この章では、以下の手順で説明し、DXでの”変化”がどのようなものか、イメージをつかんでいただきます。ここを理解いただくと、過去に行ってきた業務改革との違いが一発で腹落ちしていただけるはずです。

  • DXのX、トランスフォーメーションとは?
  • DXし終わった秀逸な事例2つ

DXがなにかはもう知っている!と言う人も、ぜひご一読ください。

2-1.DXのX、トランスフォーメーションとは文字通り「変態*」すること(*生物学の専門用語)

DXとは、「Digital Transformation」の略ですが、目的を決める際によく理解しておきたいのが、transformationの意味です。

transformationの意味は、生物学用語で「変態」を意味します。変態とは、毛虫が蝶々に変わるように、全く違うものになることをさします。つまりDXでは、「毛虫が蝶々に変わるような」変態レベルの変化が求められています。毛虫として葉っぱを食べていたものが蜜を吸うようになり、地面を歩いていたものが、空を飛ぶ。そういう大きな変化を意味しています。過去に行っていた業務の処理速度が早くなった、程度のことでは毛虫のまま葉っぱを食べる速度が早くなったぐらいで、大した変化ではありません。

そのため、単なる業務効率化程度のことでは、トランスフォーメーション:変態とは言えません。

そこで経済産業省は、彼ら独自の定義の中で「業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し」と明文化しているわけです(経済産業省 DX推進ガイドライン2018年12月より)。

DXでは、一部どこかが変わるような変化ではなく、別のものに変わるほどの大きな変化が求められます。

2-2.DXし終わった秀逸な2つの事例

「毛虫が蝶々に変わるほど会社が変化するって、どう言うこと?!」と思う人もいるでしょう。

ここでは、実際にDXに取り組んで変化を遂げた企業の事例を2つご紹介します。

2-2-1.本気でtransformationした「寺田倉庫」の事例

大きな変化を遂げた代表的な企業としてご紹介したいのが、創業70年以上を誇る「寺田倉庫」です。

寺田倉庫は、米倉庫として創業し、トランクルームや文書保管、運送、印刷などの事業を行っていた会社です。

しかし価格競争に陥って苦戦を強いられた寺田倉庫は、創業60年を機に、本気でtransformationを遂げます。創業家以外の人材を迎え、以下のような変革を行いました。

  • 勝ち目のない事業からの撤退
  • 社員を93%減(社員ごと事業を売却)し、7%の社員で事業を0から作りなおす
  • 付加価値の高い事業(高級ワインや美術品、楽器の保管)に重心を移す
  • b2c向けサービス「minikura」開始

中でも注目したいのが、B2Bからb2c、つまり法人から個人に対象を変え、同時に荷物の管理方法をアプリを使った方法に切り替えてはじめた個人向けサービス「minikura」と言う新規事業です。

参照:寺田倉庫HP

このサービスは、荷物を預けたい利用者が段ボールに荷物を入れて送ると、そのまま倉庫で保管してくれるというものです。料金は預ける箱の大きさによって異なり、3辺合計120センチの保管料は月額275円となっています。預けていたものを手元に戻したい場合は、箱をそのまま送ってくれます。

次にリリースされた「minikuraMONO」というサービスは画期的で、利用者が送った荷物を寺田倉庫が一度開封し、アプリの利用者専用ページにアップ。これにより、利用者は預けたものを専用ページから確認したり、好きなものを好きな時に指定して取り出すことができるというサービスです。寺田倉庫は、預かった荷物を開封しないことが常識の倉庫業において、開封して保管する画期的なサービスを始めたのです。

寺田倉庫は、価格競争が激しい環境の中で、対象となる顧客や保管するもの、サービス自体を変えて、事業の低迷を乗り越えました。

2-2-2.コロナ禍でtransformationした「飲食店の新業態」の事例

寺田倉庫は大手企業の事例でしたが、続いてご紹介する事例は、コロナ禍において見事に業態を変えて成功を納めた、飲食店の事例です。

もともと別々に運営していた3つの事業者が、共同運営で開始したゴーストレストラン「ヒーローズキッチン」。わずか13坪の地下にあるスペースを3人のオーナーで共有し、なんと月商1,100万円を達成している飲食店です。

参照:FOOD STADIUM

ゴーストキッチンとは、飲食スペースを持たない宅配専門の飲食店のことで、基本的にいくつかの店舗で調理場を共有し、出来上がった料理をUberEatsなどの宅配業者が取りに来て、お客さんの元に運びます。お客さんが店舗に来ることはありません。

ゴーストレストラン「ヒーローズキッチン」をはじめるにあたり、3人のオーナーは以下のことを実現しました。

  • 調理場を共有することで、配達員の効率を向上させ、配達員に来てもらいやすして配達時間を短縮(B2B2Cの構造の中、Cである喫食する顧客の利便性を高めて購入量を高めるために、Bの配達員にとってそのビルにいけば配達の荷物がいつもあるというように、配達員にとっての都合をよくした)
  • 居酒屋の居抜きを活用し、なおかつ設備を共有することで、初期投資を抑えた
  • 配達をUberEatsなどの業者に委託することで、自社で配達システムを整える必要がなく、わずか数万円のIT投資で実現した(中古の端末を購入しただけ)

上記取り組みにより、地下の狭小スペースで、大きな売上を上げることに成功した「ヒーローズキッチン」ですが、この成功がどのくらいすごいことか、以下3点を見てわかっていただきたいです。

  • お客様から「おいしかったよ」と直接聞くことをあきらめた
  • 自分の店舗を持つことを諦めた
  • IT投資をわずか数万円に抑えた

飲食店を経営している人は、お客さんからの「おいしかったよ」と言う言葉を楽しみにしている人、支えに感じている人が少なくない中、自分のお店を諦め、お客様の声を諦めた「ヒーローズキッチン」。生き残ることにかけた気持ちが伺えますよね。その上、目的を達成するために必要なITを厳選し、初期投資をわずか数万円に抑えられたのは、目的を明確に定めて計画的に必要な手段を選んだからに他なりません。

あなたの会社でも、ポイントを絞ればお金をかけずに利益を得ることができるはずです。

「ヒーローズキッチン」の事例は、コロナ禍という突然訪れた変化にうまく対応し、数あるテイクアウト店の中で生き残るために、うまく「変態」した事例と言えるでしょう。

3.DXの目的を決める方法とは

DXの目的を定めると言っても、どのように決めればいいかわからないですよね。

ここでは、DXの目的を決める方法をご紹介します。

DXの目的を決める方法は、以下の2STEPです。

  1. 「誰と」「どこで」競争するのかを考える
  2. 法人を変えなければいけない明確な理由を経営陣と対話し、決める

1.が決まれば、自社独自のDXの定義が手に入ります。

2.は、1.がどうしても決まらない時の、お助け道具的な存在として捉えてください。

誰でも実践できる内容になっています。それぞれ見ていきましょう。

3-1.「誰と」「どんな変化に対応して」競争するのかを考える

何のためにDXをやるのか?経済産業省の定義の目的部分をカスタマイズして、自社なりの定義を定めましょう。

DXの定義の該当部分は、以下の通りです。

企業がビジネスや環境の激しい変化に対応しつつ、競争上の優位性を確立するために

「誰と」と「環境の変化」に分けて考えてみましょう。

3-1-1.「自分たちの会社は誰に勝つ必要があるのか」について考える

まずは「誰と競争するのか」について考えます。以下のことについて、考えてみましょう。

  • 自社にとっての競合とは一体どの会社なのか?
  • いま見えている競合だけでいいのか?
  • 他に戦わないといけない人、企業はいないのか?
  • 自社が生き残るためには、どの会社に勝つ必要があるのか?
  • その会社に勝つ必要があるのか?
  • そもそも争わないと言う選択肢はないのか?

競争上の優位性を確立する、とありますが、そもそも争わないという選択肢もあります。また、今見えている企業だけが競合とは限らないので、広い視野を持って検討してください。たとえば街にある2つの本屋さんは互いに良きライバルとして競争していましたが、両社とも、突然、米国Amazonとの競争になりました。これをどう捉えるべきなのでしょうか。

あなたの会社が競うべき相手は、本当は誰なのでしょうか?毎年同じ相手を「競合」にし続けていませんか?

ぜひ、ゼロベースで競合とは誰なのかを考えてみてください。

3-1-2.「自社にとってビジネスや環境の激しい変化とは何か?」について考える

自分たちの会社にとって、ビジネスや環境の激しい変化とはなんでしょうか?

以下の点について考えましょう。

  • ビジネス環境の激しい変化とは一体何なのか?
  • 自社のマーケットを取り囲む脅威や変化とは一体何なのか?

「誰と」「どんな変化に対応して」が決まれば、それが自社のDXの定義になります。

環境とは、よくある分析の観点では政治、経済、社会、技術です。ですがこれも一般論にすぎません。あなたの会社の事業にとって、致命的な変化を与える環境とは何を意味するのでしょうか。

これは事業によって変化します。法律の規制がある業界なのか、人口によるのか。人口も定住している人なのか、旅行客のような一時的に滞在する人なのか。

婚姻数や出生数が減っていることは影響あるのか。

技術の社会実装が進んだことによるテレワークで移動者数が増減すると影響あるのか。

こういったことを考え、自社が最高益だったときと、現在ではどのように環境が変化したのか。その環境の変化は、会社を変態、デジタルトランスフォーメーションするほどのことなのかを確認していきます。

Point!

「どのような環境の変化に対応しつつ、誰との競争で優位性を確立するのか」

これを自分たちなりに決めることができれば、各社独自のDXの目的が手に入ります。

逆に言うと、これが手に入らないと、どうしようもないと言う状況で、DXを進めることは到底できません。なぜかというと、DXというものは本当に定義が曖昧なもので、曖昧なものを目指したところで物事はうまくいかないからです。

自社独自の目的、定義を定めることが、DXの第一歩となります。

3-2.会社を変えていくという意識を強く持つ

もし、3-1.「誰と」「どんな環境の変化に対応して」が決められない場合は、まずは自らが会社を変えていくという意識を強く持つ必要があります。

そもそも社員の場合、会社全体を変えることは自分1人ではできません。まずは、会社を変えなければいけない明確な理由を探し、その上で、社長、もしくは経営陣など意思決定ができる立場の人と、会社を変えなければいけない理由に合意する必要があります。

そもそもDXは、経営陣の意思決定によって推進していくもので、社員に丸投げすれば終わるものではありません。

なので、「X年後にはYになるので、それを避ける」程度の話ではなく、「5年後に倒産するので、それを避ける」くらいのことを視野に入れて、法人を変えなければいけない明確な理由について、対話して、考えを引き出してみましょう。

その中で、「誰と」「どんな環境の変化に対応して」のヒントを得て、再び自社の定義について考えてみてください。

【それでも決まらなかった場合は…】

DXとは本来、経営者本人が個人として何をやりたいのか考え、法人として変えなければいけない理由を明確にし、自社なりの目的を定義して進めていくものです。

ですから、まずは経営者が個人としてやりたいことを自問自答し、そのためには何をするべきか、何を捨てて何を守るのかについて考えを持つことが重要になります。

ここでお伝えした順番で自社のDXの定義を決めることができない場合は、経営者自身が自らDXに対する考えを固め、その考えを社内で共有する必要があるでしょう。

それもできなければ、場合によっては社長交代も視野に入れるべき、というのがDXで求められている「競合優位性を得る」ためにすべきことです。

何をしてもDXの定義ができないようであれば、コピー機メーカーや、ITベンダー、コンサルティング企業、リスキリング企業の食い物にされ、お金を貢ぐだけなのでDXは中止しましょう。

4.DXの目的を決めるのが第一歩であり絶対に踏み外してはならない

DXにおいて、目的を決めることは、まず初めにやるべきことであり、一番失敗してはいけない最も重要なことです。

目的を決める→必要な手段を考える

この順番がとても重要になります。

「このITツールを使って何をしようかな?」と考えるのではなく、「これをしたいからそのためには何が必要かな?」という考え方が、DXでは必要です。「このITツールで何ができるか」はIT企業の広告であり、広告で企業の未来を決定してはダメです。夕飯のメニューではないのですから。

この点については、経済産業省も文章で指摘しています。

そこでここでは、2019年7月の経済産業省からの痛烈な指摘を読み解き、「目的を決める→必要な手段を考える」この順番が重要な根拠と、DXにおいて目的を明確にすることがいかに重要かについて、理解を深めていきましょう。

4-1.DXが失敗する原因は「ビジョンが明確ではないから」

経済産業省は、2019年7月に発表した「DX推進指標とそのガイダンス」一番初めにDXが失敗する理由として「顧客視点でどのような価値を創出するか、ビジョンが明確ではない」と伝えています。

以下、該当箇所を書き出したものです。

このような中で、経営者がDXの必要性を認識し、

デジタル部門を設置するなどの取組が見られるものの、実際のビジネス変革には繋がっていないという状況が、多くの日本企業に見られる現状と考えられる。

こうした現状において、具体的な課題として、たとえば、以下のような点が指摘されている。

1)「顧客視点でどのような価値を創出するか、、ビジョンが明確でない」

DXの取組状況について、よく聞かれるのが、Poc(Proof of Concept:概念実証)からビジネスにつながらないといった悩みである。その場合の原因の一つとして考えられるのは、顧客視点でどのような価値を生み出すのか、Whatが語られておらず、ともすると、「AIを使ってやれ」の号令で、Howから入ってしまっていることにある。(また、業務改善・効率化にとどまってしまっているケースも多い。) 

参照:経済産業省「DX推進指標とそのガイダンス」

要するに、経済産業省は

「目的(要求)を明確に決めていないからDXがうまくいかないんだよ」と指摘しています。

目的を決める(ビジョンを明確にする)→手段を決める(必要なシステムを決める)

この順番の重要性について、経済産業省も訴えているのです。

さらにわかりやすく実感していただくために、「目的→手段」を料理に例えてみましょう。

目的なくジャガイモとにんじんと玉ねぎとお肉を炒めてコトコト煮込むと、味付け段階になって「あれ?何作っているんだっけ?」とゴールがわからなくなります。

シチューにもなるしカレーにもなる。カレーといっても日本風、インド風、アジア風、ヨーロッパ風にもなる。目的がないから何を作るのが正解かわからない。

目的を決めずに調理をはじめると、このようなことがおきます。

一方、「いつものルーカレー」を作ろうと決めてジャガイモとにんじんと玉ねぎとお肉を炒めて煮込むと、ちゃんと「いつものルーカレー」ができる。

目的を決めてから調理に入ることで、すんなり正しいゴールに辿り着けるのです。

仕事で言うと、我々は何をやったらお客さんがお金を払ってくれるのかを決めてから、それを実現するために必要なシステムを買ってきたり、順番に導入していくべき、ということです。

ベンダー企業が「ワークショップしましょう」「チャットボットを導入して成功したお客様は問い合わせは減りました。あなたの企業では何が変わるでしょうか?」というような広告を間に受けて考えては駄目です。

それは、ベンダー企業が売りたいものを売るための広告であり、あなたの会社が救われる方法とは限りません

DXをやるなら、まずは目的を決めることから始めましょう!

5.まとめ

本記事では、DXの目的は誰も教えてくれないと言うこと、自社のDXの目的の決め方、目的の決定の重要性についてお伝えしました。

  • DXの目的は、ネットにも書籍にも講演会にもないから、自社で決める
  • 自社なりの目的を決めることが、DXの第一歩である

この2点が、この記事でお伝えしたかったことです。

念頭に置いて、DXを進めてください。御社のDX推進がうまくいくことを、心から願っています。もしも自社だけでは目的を定める議論が難しい場合は、Bethがいつでもご支援します。

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