システム導入でよくある失敗パターンとその対策|成功事例もご紹介

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私が書きました 河上 泰之

「システム導入で失敗したくない。」「どうすればシステム導入で成功できるのだろうか?」

システム導入について不安を感じている人は多いと思います。

確かに、システム導入に失敗している企業は多く、日本トレンドリサーチと株式会社キャムが共同で実施した「社内システム導入」に関するアンケートでは、失敗したことがあると回答した人が25.7%に及びました。
引用:日本トレンドリサーチと株式会社キャムの共同調査「社内へのシステム導入に関するアンケート」

そもそも、このご時世でシステム導入に失敗する原因をご存知ですか?

システム導入が失敗する原因は、業務に合わせてシステムを作ろうとすることです。

この、システムが現在の業務に合わせてくれるという考え方が、間違っています。
そうではなくて、システムに合わせて自社の業務をどう変えていくか、ということの方がはるかに重要です。

例えば今、インボイス制度に対応するためのシステムを導入しようとしている企業があるかと思いますが、正直どのシステムを選んでもそんなに違いはありません。どれを買ってもそんなに違いがないシステムの場合は、自社の社員にとってどれが一番使いやすそうかをいくつか使ってみて探す、そんな程度で決めて大丈夫です。大事なのは、導入したシステムに合わせて業務マニュアルを書き換えることで、業務マニュアルを書き換えることなくシステムを導入すると、システム導入は失敗します。

本記事では、システム導入の失敗原因と対策、成功するためのポイントを知ることで、自社のシステム導入成功をイメージできるように、以下のことについてお伝えしていきます。

本記事でわかること
・システム導入でよく失敗する4パターン
・システム導入で失敗しないためのポイント
・システム導入の成功事例
・システム導入を成功するための4STEP
重要なのはシステムを導入することではなく目的を達成する手段として検討できているか

本記事を読めば、システム導入で失敗する可能性をグッと下げることができます。ぜひ最後まで読み進めてください。

1.システム導入でよく失敗する4パターン

システム導入で失敗する企業は、どのようなことが原因で失敗するのでしょうか?システム導入でよく失敗するパターンとして、以下の4つがあります。

【パターン1】システム導入の目的が明確になっていない
【パターン2】
システムが現場にフィットしなかった
【パターン3】
システム導入して効率化するどころか仕事が増えた
【パターン4】安さで選んで失敗した

システム導入における失敗を避けるために、まずは原因を把握して同じことをしないようにしていきましょう。原因とともに、対策についてもお伝えしていきます。

1-1.【パターン1】システム導入の目的が明確になっていない

「システムを書き換えたり、入れ替えたりすることに何の目的があるのか?」についてわかっていないと、システム導入は失敗します。

そもそも、業務として何をするのかが決まっていないとシステムは作れない

これがシステム設計の大前提だからです。

システムを作るときには、はじめにユースケース、つまりどう使うのかという使い方を整理して、要件を洗い出します。次に、要件をシステムに実装するという順番で進めます。これが、国際標準であるシステムズエンジニアリングでの進め方です。

システムエンジニアリングについて、さらに詳しく知りたい場合は、以下のサイトがおすすめです。ぜひご覧ください。

・IPA 独立行政法人情報処理推進機構「システムエンジニアリングの推進
最新システムエンジニアリング情報館

目的が明確になっていないのにシステムを導入するのは、正しい手順の逆をすることで、絶対にあり得ません。

業務で何をどう使うかが決まっていないのにシステムを入れようとするのは、失敗することが明らかなので、絶対にやめましょう。

<コラム:絶対にやってはいけないシステムの選び方〜その事業、消費期限は切れていませんか?〜>

DXを推進する過程で、IT企業の広告を眺めて何を買ったら幸せになるかを考えて導入製品を選ぶことは、「やってはいけない進め方の代表例」です。夕飯ではないので、広告から選んで終わりという雑な進め方で、会社の未来を決めないでください。

正しくは、広告を眺めて情報を集めながらも、そもそもシステム導入を考える事業の消費期限は切れていないのかを検討します。そもそも消費期限の切れたうまみのない事業を継続しても、苦戦するだけです。最悪、誰か自殺者がでます。冗談ではなく。

そういう消費期限のきれたビジネスは、システムを入れても生き返りません。事業売却して年間あたりの利益の5倍ぐらい(年間10億円の利益なら50億円以上から)で売れます。購入する側からすると投資利回り20%ということですから。事業売却してしまったらやることがないから事業売却はしない、というのは最悪の悪手です。絶対にやめましょう。この場合は、新規事業をつくってお金を生み出す方向へ舵を切らねばなりません。そこから逃げてシステム屋さんにお金をあげても、自社は救われません。

ここまでいってもまだピンとこない人は、経済産業省という国家規模で日本をみている組織が「DXを通じて、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争優位性上の優位を確立すること」ということの重さを理解してください。日本中で行われているビジネスの大半の賞味期限がきれていなければこんなことは言わないはずです。

我々民間企業人としては、行政官に直球で投げ込まれるまでみてみぬふりをしてきたわけです。しかし、あまりに真ん中に放り込まれすぎて、現在日本の多くの企業がDX推進を掲げています。DXを推進したいなら、システムを買う前に、そもそも対象事業の消費期限が過ぎていないか、それを冷静に社長と議論してください。役員会ではなく、社長と、です。

「まだ、うまみのある事業だよね」という結論に至った場合は、儲けるための投資として、その事業の中でどのような業務の進め方をするのか、まずは決めてください。具体的には、データを使って業界を寡占できないのかを考える、などです。例えば、学校教育のデジタル化が進んでいますが、そこで生み出されるデータをつかって日本で公教育を受ける人々の就職斡旋を牛耳りリクルートやマイナビと対抗できる会社を作れます。しかも、たいしたコストをかけず。

このように、どうしたらもっとそのビジネスで儲けられるのかを真剣に検討し、新しい事業の進め方の中では社員にどんな業務をさせるのかを決定していきます。続いて、その業務をデジタル前提で回すためにはどんなシステムが必要なの?と順番に考えていき、購入するシステムを決めます。これが正しい、きちんとした進め方です。

ちなみに、業務で生み出されるデータが重要というのであれば、外注する体制からは脱却しなければなりません。データが事業の生命線、まさに心臓となるからです。データを扱うための仕組みを作れるようにならないのであれば、いつまでも競合に負け続けます。

負けるためにシステムに何千万〜何百億円もあなたの会社は投資するのでしょうか?違います。勝って生き残るために投資をするはずです。コストカット程度の目的でシステム更新をするのなら、勝ちには繋がりません。売上を増加させるために、ぜひ事業を考え、業務を考え、システムを考えてください。

1-2.【パターン2】システムが現場にフィットしなかった

システムを導入したけれど、現場にフィットしなくて導入が失敗に終わるケースがあります。

実際にシステム導入に失敗した人の声として、以下のようなものがあります。

・社員全員が難しくて使えなかった。(60代・男性)
・使い方が難しすぎた。(50代・男性)
・特定の作業は使いやすかったが、少し変則の使い方が全くできなかった。(30代・女性)
・使い勝手が悪かった。(40代・男性)

出典:日本トレンドリサーチと株式会社キャムの共同調査「社内へのシステム導入に関するアンケート」

どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?そこには、そもそもシステムを入れる側の勘違いがあります。

放っておいても現場にフィットするシステムなんて、ありません。

システムを導入したら、現場にフィットさせるための仕事をしないと、現場にフィットしません。どんなシステムを導入したとしても、システムに合うように現場を変える必要があります。

システムを導入して、システム屋にマニュアルを作らせればあとは自動的に現場を効率化できる、現場でうまく使えると言う発想自体が勘違いです。「どのように現場 ”に” フィットさせるか」これは勘違いした人の発言の代表例です。

そうではなく、「どのように現場 ”を” フィットさせるか」。この中には当然ながら現場での生産性が一時低下することを含みます。新しい業務が安定するまでは、業務マニュアルを更新し続けなければいけませんし、新しい業務に切り替えるためには、情報の周知徹底と研修が必要です。また、研修をしたらいきなり最高効率で業務遂行ができるわけもありません。業務に慣れるに従って効率は徐々にあがります。そこでのことを考えて、現場に求める数字も引き下げて挑むのが、「システム導入」です

1-3.【パターン3】システム導入して効率化するどころか仕事が増えた

システムが導入されることで、現場は業務が効率化されることを期待しています。しかし、効率化どころか、業務が複雑になったり、かえって業務が増えたりして、システム導入が失敗することがあります。

特にアナログの一部デジタル化は、地獄まで舗装された道路のようなものです。冗談ではなく、本当に、地獄へ一直線で最速で到達します。具体例で「地獄 特急券」の行き先をみてみましょう。

例えば、電子決済の導入を見てみましょう。例えば、それまで100%現金決済だったところにQRなどの電子決済を導入して、70%が電子決済になったとしましょう。

それでも、30%は現金での決済です。物理的に現金が残る限り、お金をアナログで管理する業務が残ります。

つまり現金が残ると、日々の現金確認、銀行への入金、現金出納帳の記載など、さまざまな業務が残り、追加で電子決済の業務や覚えることが発生するので、むしろ仕事が増えることになるのです。

このようなことにならないように、システムを導入する際は、一部デジタル化のようなことをしないように意識し、現場でがんばってくれている社員や仲間を楽にすることを目的に、システムを導入してください。

地獄行きのチケットについて、さらに詳しくは、「【これで完璧】DXとデジタル化の本当の違いを事例とレポートで解説」の記事をご覧ください。

1-4.【パターン4】安さで選んで失敗した

「少しでも安くシステムを導入したい」「数社比較して1番安いところに依頼しよう」と考える人もいるかもしれませんが、この考えはとても危険で、失敗の原因になります。

今のご時世、値段が安いところは危険と考えて問題ありません。値段が安いシステムを買ってはダメです。

例外は2つあります。

1つがあとで儲けるビジネスモデルのパターンです。例えば販売価格を安くして、後で回収しようというビジネスモデルが世の中には存在します。家庭用プリンターがいい例で、プリンターは安いけどインク代が高い、というのがこのビジネスモデルです。そういう仕掛けがあるのなら買っても問題ありませんが、買う側からすると、あとで高く支払うので、結局合計金額は高くなります。キャッシュフローが厳しい企業は、このような選択肢を選んでも良いです。

もう1つのパターンは、いわゆるSaaS系のサービスです。1ユーザーあたり月々数百円から数万円でシステムを利用できます。SaaSとは、例えばYouTubeのようなものです。システムは会社が維持管理します。ユーザーは利用するためにお金を払うだけです。こういったパターンは売り元が何十万、何百万アカウントも共通のシステムで売ることを通じて収益を上げています。そのため、利用する立場では安く利用できます。ちなみにカスタマイズはできないものと思ったほうがよいです(カスタマイズすると不具合が生まれることになるので基本的にはカスタムしないほうがいい。不具合があってもいいからお金を出して購入したい人は、カスタムしてもOKですが・・・。・)。

この2つのパターン以外で安い、特にカスタマイズやゼロからシステムを作るのに安い、という場合はやめたほうがいいです。

今これだけIT系の人材不足が深刻で、特に物を構築してくれるSE(システムエンジニア)が足りていないときに、まともなシステムが安いなんてことはあり得ないと考えた方がいいでしょう。このような状況下で安いシステムを探すなんて、ナンセンスです。

なぜ安いシステムを探さざるをえないのかと言えば、理由はたった1つです。コストカットのためにシステムを入れようとしているからです。その発想そのものが終わっているどころか、出発すらできていません。そうではなく、売り上げを上げて利益を積み上げるための投資としてのシステム導入であれば、1日、1時間でも早く始動させて利益を生み出させたほうがいいという結論になります。安いものを探すための1日がもったいなくなるはずです。

安いシステムしか入れられないなら、いっそシステム導入を諦めた方がいいでしょう。また、コストをかけてまでシステムを入れたくないと感じる、あるいは価値がわからずシステムに費用を出すことに納得できない場合も、わざわざシステム導入をする必要はありません。本来「ITシステム」や「コンピューター」は情報処理を人間よりも効率よく、かつ正確性高く行うために開発された1つの技術でしかありません。もちろん人間でもできます。アポロ計画で有人宇宙飛行を最初に行っていた時は、IBMのスーパーコンピューターの計算結果を人間が検算していました。人間でも情報は扱えます。

2.システム導入で失敗しないためのポイント

これまでお伝えしてきた内容と重複する箇所もありますが、システム導入で失敗しないためのポイントをお伝えします。

・システム導入の目的を明確にする
・業務を変えるつもりでシステム導入する
・ベンダーに丸投げしない

ポイントをしっかり押さえて、失敗を防ぎましょう。

2-1.システム導入の目的を明確にする

システム導入で失敗しないためには、目的を明確にしてからシステムを導入してください。

システムは、あくまでも目的を達成するための手段です。システムを導入することが目的ではありません。

そもそもどうしてシステムを導入するのか、経営上の理由があるはずです。それをちゃんと探さないと、システムを導入してもうまくいかないので、まずは目的を明確にしてください。

さらに、業務でどう使うのかが見えていないと、システム導入で失敗します。実際の業務で使えるシステムを導入しないと意味がないので、当然ですよね。システムを導入して、業務でどのように使うのかまで考えてから、システムを導入しましょう。

2-2.業務を変えるつもりでシステム導入する

業務を変える前提でシステムを導入すると、失敗する可能性を劇的に下げることができます。

「このシステム、うちの業務にフィットしてないな」と言うのは大きな間違いで、導入するだけでフィットするシステムはありません。導入したシステムにフィットするように、現場側がシステムに合わせるのです。

ちなみに、筆者は米系の大手システム導入企業で正社員として働いていました。

お客様は「うちの会社は特別だから」と言います。カスタマイズで売り上げが増えるし、保守も取れそうとニコニコしながら話を聞きますが、社内では「どこもたいして変わんないんだよねぇ。昔作ったここをちょっと変えたらいいねー」という話をしています。

また、もともと消費期限が切れて利益率の悪い業務や業務効率の悪い業務をオンラインのやり取りに置き換えても、意味がありません。システム導入にあたって、業務効率について再度検討し、自社の業務そのものを変えることを前提としてシステムを導入しなければ、DXとして意味がないのです。

DXでシステム導入しようとしているならなおさら、売るものを変えるから、やり方を変えるのは当然であることを忘れないでください。これこそ経済産業省が、国民国家のために発信したDXの定義です。

IT屋さんたちはその言葉を、場合によっては解釈を曲げて広告としています。絶対に騙されないでください。

重要なことはあなたの会社がたくさん利益を生み出して、社員の皆さんの給料が増え、高い給料で他社から人を引き抜いて勝ち続けることです。

2-3.ベンダーに丸投げしない

システム導入で失敗したくないなら、システム導入をベンダーに丸投げしないことです。

システムはあくまでも自社の物であり、自社の顧客に関わる物です。それをベンダーに丸投げして全て任せるのはあまりに無責任ではないでしょうか。

例えば2021年に世間を騒がせた、みずほ銀行の大規模システム障害。みずほ銀行は、2021年2月から2022年2月までの約13ヶ月間に、計11回のシステム障害を起こしました。痺れを切らした金融庁は、2021年11月26日に、みずほフィナンシャルグループ(FG)と同行に業務改善命令を発出。「社会インフラの一翼を担う金融機関としての役割を十分に果たせなかったのみならず、日本の決済システムに対する信頼性を損ねた」と厳しく指摘しました。

システム障害特別調査委員会の調査報告書には、原因の総括として「配慮不足」「リスクの認識不足」「危機への備えが足りない」「問題意識の欠如」など、みずほ銀行の責任感のなさを指摘する言葉が数多く並べられていて、システムそのものの不備以上に、組織力の弱さITシステムの統制力の弱さ顧客目線の弱さの3点が指摘されています。みずほ銀行は、システム障害の原因として、無責任さを指摘された、と言ってもいいでしょう。

最近では、マイナンバーカードの保険証利用に関する問題が続出していて、導入したシステム屋である富士通Japan株式会社に全ての問題があるかのように報じられています。しかし、そもそも責任があるのはシステムを導入した自治体です。にも関わらず行政では記者会見で「IT会社に連絡し至急対応を・・・」といった謝り方をします。これを聞いた住民は、「責任感溢れる対応だなぁ」と感動するでしょうか。しませんよね。システムや、システム導入のベンダーのせいにしている様子は、責任感のかけらもないと言わざるを得ません。

問題が起こるシステム、使えないシステム、顧客に迷惑をかけるようなシステムを納品されたくなければ、ベンダーに丸投げせず、発注者としての責任をきちんと果たしましょう。

3.システム導入の成功事例

システム導入の成功をイメージするためには、他社のシステム導入の成功事例を把握するのがいいでしょう。ここでは、システムの中でもRPA(パソコンで行っている事務作業を自動化できるソフトウェアロボット技術)の導入成功事例をご紹介します。(注釈:成功の指標が数字で示されることが多いため、わかりやすいだろうとの判断からRPAを例にします。単にRPAを導入すればいいのだ、とは勘違いですので、思わないでください。)

・日次売上の集計報告業務にRPAを活用して成功した事例
・入金消込業務にRPAを活用して成功した事例
・競合企業の価格調査業務にRPAを活用して成功した事例

それぞれの事例を見ていきましょう。

出典:RPAテクノロジーズ株式会社 導入事例

3-1.日次売上の集計報告業務に活用して成功した事例

全国に80店舗以上の店舗を持っている小売企業が、日次売上の集計報告業務にRPAを導入した事例です。

この企業の経営管理部門では、全国の店舗のPOSシステムから届く売上速報値を、数名の担当者が日次で集計しています。具体的には、店舗別のExcelファイルの情報をデータベースに登録後、必要情報を抽出してテンプレートファイルに転記し、メール添付で各店舗と経営陣に送付する作業を、全て手入力で行っていました。

そこで、この一連の作業の中の「店舗別のExcelファイルの情報をデータベースに登録する作業」をRPAで自動化したところ、集計報告業務の処理速度が10倍まで向上しました。

システムを導入して処理速度が上がったことで、退勤時間を前倒しできるようになり、時間的な負担を軽減することができたし、手入力から解放されたことで、担当者の精神的な負担の軽減にもつながったそうです。

3-2.入金消込業務にRPAを活用して成功した事例

ある企業の経理部門では、月に数十回に分かれて取引先から入金があり、その都度請求書データとの照合作業が生じていることに負担を感じていました。

具体的には、ネットバンキングから取得できる入金データと、社内システム上の請求書データをそれぞれExcelファイルに転記して一致するかを確認し、異なる場合は担当者にメール通知すると言う作業です。

この一連の作業全てをRPAで自動化したところ、担当者はメール通知があった場合の確認を除き、一連の作業から解放されました。

その結果、担当者の人数を減らすことができ、他の業務に人員をさけるようになったということです。

3-3.競合企業の価格調査業務にRPAを活用して成功した事例

ある小売企業では、Webサイトに掲載されている競合企業の価格調査をしようと試みたところ、対象となる商品数が多すぎて、手が回りませんでした。

そこでRPAを活用し、複数の競合サイトを巡回して取得した商品名や価格をExcelファイルに自動集計したところ、人の手だけではできなかった競合企業の価格調査に成功。

現在ではこの集計データが、社内会議の資料として欠かせない存在となっているそうです。

4.システム導入を成功させるための4ステップ

システム導入を成功させるには、正しいプロセスでシステムを導入する必要があります。

システム導入の正しい手順4STEPは、以下の通りです。

・STEP 1システム導入の目的を明確にする
STEP 2ベンダーへの要望をまとめる
STEP 3システム・ベンダーを選定する
STEP 4システムを運用・定着させる

このプロセスに沿って導入すれば、システム導入を円滑に進めることができます。

4-1.STEP 1システム導入の目的を明確にする

再三お伝えしていますが、システム導入の目的を明確にすることは、システム導入を失敗させないためのポイントであり、まず初めにやるべきことです。

目的を明確にし、その目的を達成するためにはどのようなシステムを導入するべきかを検討しましょう。目的→手段の順番を、間違えないでください。

その際には、システム化する範囲、業務でどう使うのかという点についても一緒に検討するといいでしょう。

システム導入は、業務を変えることが前提です。システムに合わせて業務を変えないと、システムを導入しても現場にフィットしません。今できていることと同じことをするために、新しいシステムを入れても意味がないですよね。仕事のやり方を変えないなら、新しいシステムではなく、今のシステムがベストです。ぜひ検討してください。

4-2.STEP 2ベンダーへの要望をまとめる

ベンダーへの要望を明確にすることで、本当に必要なシステムの提供を受けることができます。できるだけ明確に細かく要望を出して、RFIとRFPを作成しましょう。

RFIRequest for information )とは、情報提供依頼書、情報要求書で、ベンダーに対して製品やサービスの概要に関する情報提供を求めるために作成されるものです。そのベンダーが提供できるサービス、業務、製品に関する情報収集のために活用します。

RFP(Request for Proposal)とは、システムの導入を行うにあたり、発注先を選定するために、候補となるシステム開発会社に具体的な提案を依頼する文書です。システムの目的や要件、制約事項などをまとめます。

RFIとRFPを活用してベンダーとお互いに情報をやり取りして、ベンダーに何をお願いするかを決めていきましょう。

4-3.STEP 3システム・ベンダーを選定する

システム・ベンダーを選定する際は、何社か比較検討して決めましょう。2、3社ベンダー候補を選び、RFI、RFPを活用して、情報のやり取りをするといいでしょう。

SaaS(Software as a Service)の場合は、それぞれ全部触る、触るのに飽きたらそれ以上見なくていい、と言うイメージで大丈夫です。

ベンダーを比較する際にどのベンダーを比較すればいいか困ったら、ベンダーを適当に1社選んで、「皆さんの競合は誰ですか?」と聞いてみてください。そうすると、意識している会社を教えてもらえるので、ベンダーを選ぶときにその分野にいる企業を把握することができます。

また、ベンダーを選ぶ際の重要なポイントとして、担当者からのレスポンスの速さがあります。忙しすぎてあまり相手にしてくれないようなベンダーに依頼するのは要注意なので、ベンダーを選ぶ際は、レスポンスの速さに注目してみてください。

4-4.STEP 4システムを運用・定着させる

システム導入後の業務をマニュアル化して、システムを運用します。自社でできない場合は、ベンダーのサポートを受けるといいでしょう。

SaaS系のシステムを買う場合は、マニュアルが動画で配信されていることも多々あるので、自分たちでマニュアルを作るなんて無駄なことはせず、動画を共有するのがベストです。

なお、システムの運用開始は繁忙期を避けたほうがいいので、タイミングを見計らってください。

5.重要なのはシステムを導入することではなく目的を達成する手段として検討できているか

どうしてシステムを導入するのか?

答えはシステムを使って売上を立て、コストを払い、利益を生み出すため」です。

利益を生み出す以外の役割のところにこだわるのは、時間の無駄です。

例えば、「システムのボタンの色をコーポレートカラーに変えて」などの要望は、まったく意味がありません。ボタンの色をコーポレートカラーに変えても、利益は1円も伸びないですよね。

今の時代、システムを1から作るとか、既存のシステムをカスタマイズするということも、やるべきことではありません。カスタマイズすると、他にどんな影響があるか確認しないといけないし、大元のシステムの変更があったときに、自分たちがカスタマイズしたところが何か影響がないか、常に確認しないといけません。そんなの無駄ですよね。

システムのお守りをするためにシステムを導入するのではありません。繰り返しになりますが、利益を生み出すためにシステムを導入するのです。

手をかけるとしても、システムに合わせて業務マニュアルを書き換えるためにチャットGPTの使い方を練習する、せいぜいその程度ではないでしょうか。

6.まとめ

本記事では、システム導入でよくあるパターンとその対策を中心にお伝えしました。

最後に、失敗しないためのポイントをおさらいして締めくくりましょう。

・システム導入の目的を明確にする
・業務を変えるつもりでシステム導入する
・ベンダーに丸投げしない

この記事を読んで、あなたの会社が目的にあったシステムを導入し、導入が成功することを願っています。

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