DXを推進するメリット5つ|DXをやるか迷った時の判断基準とは

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私が書きました 河上 泰之
会議

「DXを推進すると、どんなメリットがあるの?」

「DX推進にメリットがあるなら、我が社でもやってみようかな?」

このようにお考えではありませんか?
DXをやるかやらないか迷った時、どんなメリットがあるのかが気になりますよね。

法人所有者にとってDXを推進する究極のメリットは

・法人格が残る倒産する確率を下げることができる)

ということです。
他にも以下のようなメリットがDX推進にはあります。

・会社の目標やビジョンを改めて明確にできる
自社にとって本当に必要なデジタル化を見極めることができる
現在の業務を見直すことで人員の確保の必要がなくなる
新たな事業を始める機会を得ることができる

法人所有者にとって、DXを推進する最大のメリットは、法人格を残せることです。法人格を所有している人にとってDXはデメリットがなく、倒産してもいいと考えている場合以外は、DXをした方がいいです。

経営者以外のメンバーからすると、DXを旗印にすることで、今までやりたかったことがどんどんできるようになるメリットがあります。このままじゃ会社がやばい、変えたいと思っている人からすると、DX推進は色々と会社内部のことを変えられるチャンスと捉えることができるでしょう。

ただし、DXを推進することにはデメリットというか、一時的に不都合になる点もあります。それは、以下のようなことです。

・当面の利益を予測しにくくなる
・すぐに結果が出ないので
今よりも効率が悪くなる時期がある
・すぐに結果が出ないので担当者の風当たりが強くなる場合がある

「DXは変革」

全く違うものに変わることなので、現状が変わることで一時的に不都合が生まれる場合があります。また、すぐに結果が出るものではないがゆえに、一時的に不都合に感じることもあります。

本記事では、DX推進のメリット・デメリットを詳しくお伝えするほか、以下のことを分かりやすくお伝えしています。

この記事でわかること
・DXのメリット
・DXのデメリット(一時的に起こる不都合)
・そもそもDXとは
DXは全ての企業ができるほど簡単なものではない。だからこそやるべき
DXを推進したいなら、コーチング型コンサルティングがおすすめ

この記事を読めば、自分の会社はDXを推進するべきなのかどうか、推進できるのかについて検討し、判断することができます。ぜひ最後まで読み進めてください。

1.DXを推進するメリット

DX推進には、どのようなメリットがあるのでしょうか?

DXを推進するメリットは、以下の5つです。

・法人格が残る(倒産する確率を下げることができる)
・会社の目標やビジョンを改めて明確にできる
・自社にとって本当に必要なデジタル化を見極めることができる
・現在の業務を見直すことで人員の確保の必要がなくなる
・新たな事業を始める機会を得ることができる

法人所有者にとってDX推進にはメリットしかなく、DXを宣言しない会社はそもそも潰れるつもりなのだと捉えられてもおかしくありません。DXを推進しない法人の株は、誰も買いません。
法人所有者以外の目線では、これまでできなかったことをするチャンスと捉えることができます。

自社でDXを推進するべきか判断するために、それぞれのメリットをみていきましょう。

1-1.法人格を残せる(倒産する確率を下げることができる)

冒頭でもお伝えしましたが、法人所有者にとって、DXを推進する最大のメリットは、法人格を残せることです。
要するに、倒産する確率を下げることができます。

経済産業省が言っているDXの目的は、競合との競争優位性を確立することですから、DXを推進するということは、その目的に向かっているということになります。競合に勝つための取り組みを推進していけば、当然倒産する可能性も下がります。(DXの定義については、3章で詳しくお伝えします。)

例えば、DXを推進すると銀行からお金を借りやすくなるので、そうすると、キャッシュフローが潤沢になり、運転資金に余裕ができ、不足する心配がなくなります。

DXを推進することで、株を買ってもらえるようになります。
というか、DXを推進していない会社の株は、このご時世、買ってもらえないと考えてもいいでしょう。

会社を残すつもりがない場合は別ですが、法人格を残したい場合は、DX推進にはメリットしかないので、迷わず推進してください。

1-2.会社の目標やビジョンを改めて明確にできる

DXを推進すると、会社の目標やビジョンを改めて明確にでき、認識が整います。

DXを推進する際に初めにやることは、経営者の考えや目標、ビジョンを明確にすることであり、これは避けては通れないことだからです。

DXを推進する準備運動として、まずは経営者個人として、やりたいことを自問自答して明確にします。
この時、組織としては、変化の前の予備的な動きとして、有志でDX推進について検討を開始します。経営者自身、また役員会で、今後について話し合うようにしましょう。

続いて、経営者自身が、法人を変えなければいけない経営者としての理由を、明確に、厳しい目で考えてください。これは必ず経営者自身が自分で考えなければいけません。

このように、DX推進は、経営者や上層部の意志を明確にすることから始まるため、これまで真剣に考える機会がなかった経営者、役員や、なんとなくビジョンを示していた企業も、嫌でも目標やビジョンを明確にさせる必要がある点が、DXのメリットです。社内のメンバーだけでこの議論が難しい場合は、外部の人間に議論の仕切りを依頼することも重要です。

1-3.自社にとって本当に必要なデジタル化を見極めることができる

DX推進は、自社にとって本当に必要なデジタル化を見極める良い機会です。

DXを推進すると、「過去やってきたデジタル化とは一線を引くんだ」ということを明確に宣言することになるからです。

例えば、あなたの会社には、以下のようなシステムがありませんか?

・入れて失敗した
・古くて使えない
・使い勝手が悪すぎる

DXを推進する組織の人からすると、上記のような、いらないシステムが少なからず社内にあるはずです。

DXを推進すると、目的を達成するための手段として本当に必要なデジタル化を精査することになるので、いらないシステムを堂々と捨てることができます。

一般的に、1度システムを導入すると、使い勝手が悪かったり、入れて失敗したと思ったりしても、使い続けるものですが、DX推進はこれまで導入して現在不満を感じているシステム、不要なシステムを入れ替えることができるチャンスだと捉えることができるでしょう。

1-4.現在の業務を見直すことで人員の確保の必要がなくなる

DXを推進すると、現在の業務を見直すことになり、人員の確保が必要なくなります。

業務を見直してデジタル化を進めることで、情報の整理を人間が行う必要がなくなるからです。

例えばJRのみどりの窓口。キャッシュレスの普及、ネットでのチケット販売を背景に、みどりの窓口は急速に減少し、自動券売機に置き換わっています。それどころか、スマホがICカードの役割を果たすチケットレス化が進んでいるため、自動券売機の数すら削減される時代が訪れることが予測されています。

 

また、東海道新幹線の車内販売終了のニュースも象徴的です。

「JR東海の東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」で行われていた車内でのワゴンによる販売が10月31日限りで終了となる。翌11月1日からグリーン車にはモバイルオーダーサービスが導入され、食べ物や飲み物をスマートフォンで注文するとパーサーが届けてくれるという。」 引用:日本経済新聞「東海道新幹線でついに終了… 車内販売、揺れ動いた歴史」

 

とポジティブに聞こえる発表をしていますが、要は大して売り上げが上がらないところに人間を貼り付ける余裕がなくなっていると考えられます。あれだけお金があるはずの東海道新幹線でさえも、です。

今後、人を使わずに業務を遂行できることの必要性がますます高まります。

労働人口に占める就業率は、年代、男女別に見ても70%〜80%を超えていて、ほとんど人は余っていません。出典:内閣府「男女共同参画白書令和3年度版

人口減少が予測されている中、ここから先は労働者の数はさらに減る一方です。そんな中、人を採用しようとすると、人件費は上がり続けるでしょう。その上で採用しても、育成したと思ったら転職されるリスクが常に付きまといます。良いことはありません。

DXを推進して人員を確保する必要がなくなれば、人間に業務のやり方を教えて、人間に実行させて、それを人間が監視することという馬鹿げたことから解放されます。

これがDXを推進して業務を見直した結果、手に入るメリットです。

1-5.新たな事業を始める機会を得ることができる

DXを推進すると、新規事業を始める機会を得ることができます。

競争優位性を高めると言う言い訳のもと、新規事業という金食い虫に投資することに対して、社内的に合意を取り付けやすくなるからです。

DXを推進する工程には、既存事業を残しながら新規事業を始めるのか、既存事業をやめて新規事業で稼ぐのかを決める工程があります。「あれ?どっちにしても新規事業を始めるの?」と思う人もいるかもしれませんが、DXとは創業し直しとも言える大変態です。

「DX=デジタル・トランスフォーメーション」

トランスフォーメーションの意味は、生物学用語で「変態」です。毛虫が蝶々に変わるような、全く違うものになることを意味します。DXを推進するということは、全く違うものに変化するために、新たな事業を始めたり、既存の事業をこれまでとは違う業態に変えたりしていくということです。

つまりDXを推進して競合優位性を確立することを旗印にすることで、これまでできなかったこと、新しいことに挑戦しやすくなるので、DX推進はやりたいことをやるための便利な道具として捉えることができるでしょう。この点は、DX推進を命じられている人たちにとって、メリットだと言えるでしょう。

2.DXを推進するデメリット(一時的に起こる不都合)

DXを推進すること自体にデメリットはありません。しかし一時的に不都合、不利益となることはあります。それは、以下のようなことです。

・当面の利益を予測しにくくなる
・すぐに結果が出ないので今よりも効率が悪くなる時期がある
・すぐに結果が出ないので担当者の風当たりが強くなる場合がある

事前に把握しておくことで、このようなことが起こるという心構えができます。それぞれみていきましょう。

2-1.当面の利益を予測しにくくなる

DXを推進すると、当面の利益を予測しにくくなります。

なぜならDXを推進すると、これまでの利益が出る仕組みを変えないといけないからです。

会社は、仕組みでできています。プロセスを綺麗に組み立てることが、会社の仕事を形作っています。

仕組みの何がいいかというと、過去作り込んできた仕組みがあれば、売り上げの中でどのくらいお金が残って、次どのくらい使えばどのくらい利益が出るかをある程度予測できます。投資信託を買っているのと同じ感覚です。DXを推進して、これまで使ってきた利益を出すための仕組みの良さを変えると、これまでと同じように利益が出るか分かりにくくなります。

これが、一時的なものではありますが、DX推進の最大のデメリットだと言えるでしょう。

2-2.すぐに結果が出ないので今よりも効率が悪くなる時期がある

DXは、始めればすぐに結果が出るというものではありません。推進にはある程度時間がかかります。

そのため、DXを推進すると、これまでの効率で動かなくなる時期が出てきます。

最も効率がいい状態=現状を止めることになるわけですから、当然、売り上げも一時的に下がります。それどころか新しいシステムを買ったりすると、支払いが増えることも容易に考えられます。

会社はキャッシュフローで回っているので、結果がすぐ出ないとキャッシュフローにキツさが出てきます。ですから、それに耐えられるだけの資金を事前に準備することが必要です。

DXではすぐに結果が出ないので、今よりも効率が悪くなることで、一時的に会社の状況が悪化する可能性があることを理解しておきましょう。


2-3.すぐに結果が出ないので担当者の風当たりが強くなる場合がある

これはDX担当者のデメリットですが、DXはすぐに結果が出ないので、改革を引っ張っている担当者の社内での信用が下がる可能性があります。「あいつら何もできないじゃないか」のというようなことを言われることは、よく耳にすることです。

また、変わること自体を嫌がる社員もいるので、そのような人からの風当たりは、結果が出なければ出ないほど強くなります

人間は不快な状況にならない限り、現状を変えたくない生き物です。

暑いと不快だからクーラーをつける。適温になると、そのままでいたい。不快にならないと動かないし、快適になったら変わりたくないのが人間ですよね。

これまで所属してきた会社は、不満や愚痴こそあるものの、辞めるほどの不快がないからこそ所属し続けています。そんな中、「変わろうぜ」と言われても、「めんどくさい」「このままでいい」と思う人はたくさんいます。

適温の中、クーラーを消させるのは大変なことです。

だからこそ、DX担当者は、場合によっては嫌われるので、DX推進は担当者にとっては負担となることがあるでしょう。周りがこのことを理解して、サポートする体制があると、負担を軽減できるかもしれません。

3.そもそもDXとは

ここまでDXを推進するメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、DXの定義を正しく理解することで、メリット・デメリットの納得感が増します。

ここでは、経済産業省が示しているDXの定義についてご紹介します。

経済産業省によると、DXは以下のように定義されています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応して、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位を確立すること 

参照:経済産業省「デジタルガバナンス・コード2.0」 

この定義をわかりやすく読み解くと、以下のようになります。

<DXの定義を読み解く>

経済産業省は、他社との競争に勝つために、売るもの、売り方を変える。売るもの、売り方を変えるから、当然業務のやり方も変えましょう。もちろんITを使ってね。ということを言っています。

これがDXの定義です。

DXの定義を正しく把握してメリット・デメリットをもう確認すると、さらに納得できるのではないでしょうか?DXの定義についてここで初めて理解した人は、もう一度1章2章に目を通すと、さらに納得できる部分があるかもしれません。

DXの定義、目的についてさらに詳しく知りたい人は、こちらの記事「DX完全ガイド」をご覧ください。

4.DXは全ての企業ができるほど簡単なものではない。だからこそやるべき

ここまでDXについてお伝えしてきましたが、全ての企業がDXを推進して成功するわけではありません。そもそもせっかくDXを推進しようとしても、推進できない会社もあります。そこで、以下のことについてお伝えします。

・DXを行うか迷った時の判断基準
・DXの推進が難しい企業の特徴

自社がDXを推進するべきか、できるかどうかを判断してください。

4-1.DXを行うか迷った時の判断基準

DXを推進した方がいい企業とは、どのような企業なのでしょうか?

以下に当てはまる場合は、ぜひDXを推進してください。

・このままでは競合に負けて生き残れないという危機感がある企業
・新たな価値を創出したいと考えている企業
・経営者がDX推進にとても前向きな企業

上記に当てはまる場合は、DXを推進するべきです。

早く始めたいが、DX人材がいないなど、自社でDXを推進するのが困難だと思う場合は、コンサルティング会社に依頼してサポートしてもらうといいでしょう。

コンサルティング会社に依頼する場合は、コーチング型コンサルティングに依頼するのがおすすめです。コーチング型コンサルティングなら、思考や進め方を学びながらDXを進めていくことができるので、社員や経営者の能力が向上します。コーチング型コンサルティングについて詳しくは、5章をご覧ください。

DXは、自分たちで勉強して進めることもできますが、DXの答えはGoogleを検索しても、出てきません。なぜならDXの目的は、自社で定めるしかないからです。ですから、我流で知識もなく進めても、成功しませんのでご注意ください。

このことについてさらに詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

4-2.DXの推進が難しい企業の特徴

DXは全ての会社が推進できるほど、簡単なものではありません。では、具体的にどのような企業にとって推進するのが難しいものなのでしょうか?

DXの推進が難しい企業には、以下のような特徴があります。

・自社なりのDXの定義や目的を経営者自身が決められず、役員会でも議論ができない企業(議論しようとするとめんどくさそうな顔をする企業)
・外部に正解があると思っている企業(Google検索、誰かに相談すればいいと思っている。答えは自分たちの中にあるのであって、外にはない)

・コンサルティングに丸投げすればいいと思っている企業
・社長が役員に、役員がその下の管理職にと、丸投げの連鎖をしてうまくいくと思っている企業

上記に当てはまる企業は、そもそも失敗する可能性が高いので、DXを推進するべきではありません。自社なりの定義や目的を決めることすらコンサルティング会社に任せるくらいなら、そもそもDXなんてやる必要がありません。

上記に当てはまるが、DXを推進したい気持ちがある場合は、まずはそのことについてコーチング型コンサルタントと壁打ち的に話してみるといいでしょう。頭の中を整理することができるし、これからどうすればいいかについて一緒に考えてもらえます。

5.DXを推進したいなら、コーチング型コンサルティングがおすすめ

コンサルティング会社には大きく以下の3種類がありますが、本気でDXを推進したいと思っているなら、コーチング型コンサルティングに依頼するのがおすすめです。

コンサルティング会社を3種類に分類すると、以下のようになります。

・システム導入コンサルティング会社
・宿題代行型コンサルティング会社(従来のコンサルティング会社・大手コンサルティング会社)
・コーチング型コンサルティング

中でも、コーチング型コンサルティングがおすすめな理由は、コーチング型コンサルティングに依頼すると、DXの考え方や進め方を学びながらアドバイスがもらえるので、自分たちが行きたいと思えるゴールを自分たちで作ることができるし、経営者や社員の能力を向上させることができるからです。やることを指示されて動く宿題代行型コンサルティングと違い、いずれ自分たちだけで考えて動けるようになる点も強みだと言えるでしょう。

コーチング型コンサルティングは、以下のような会社に特におすすめです。

・自分たちの能力を引き上げて欲しいと思っている企業
・自分たちでハンドリングしたい企業
・担当者が責任を果たさず、お金を使って他社に丸投げすることを嫌う社長や役員のいる会社

コーチング型コンサルティングをはじめ、DX推進を依頼できるコンサルティング会社の種類やメリット・デメリットについて、さらに詳しく知りたい人は、こちらの記事「DXコンサルティングを徹底解説をご覧ください。

 <コーチング型コンサルティングならBeth合同会社にお任せください>
Bethについて詳しく知りたい方はこちら

6.まとめ

本記事では、DXを推進するメリットとデメリットを中心にお伝えしました。

最後に、DXのメリットとデメリットをおさらいしておきましょう。

DXを推進するメリットには、以下のようなものがありました。

・法人格が残る(倒産する確率を下げることができる)
・会社の目標やビジョンを改めて明確にできる
・自社にとって本当に必要なデジタル化を見極めることができる
・現在の業務を見直すことで人員の確保の必要がなくなる
・新たな事業を始める機会を得ることができる

デメリット(一時的に起こる不都合)は、以下のとおりでした。

・当面の利益を予測しにくくなる
・すぐに結果が出ないので今よりも効率が悪くなる時期がある
・すぐに結果が出ないので担当者の風当たりが強くなる場合がある

DXはどの企業でも成功するような甘いようなものではありませんが、生き残るためには必要な取り組みです。不安がある方、どうすればいいかわからない方は、お気軽にこちらからご相談ください。