新規事業失敗の核心|根本原因と失敗を回避するための5つの行動指針

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私が書きました 河上 泰之

「自分のチームが新規事業に失敗しないか不安に襲われている」
「どうすれば新規事業失敗を回避できる?」

新規事業の担当になったあなたは、プレッシャーを感じ、少なからずこのような不安な気持ちを抱えていることでしょう。

これからお伝えする新規事業失敗の核心に触れることは、同じような状況に直面した際に、同じ過ちを繰り返さないために極めて重要です。

新規事業に失敗する1番の原因は

顧客にとって価値がある商品やサービスを提供できなかったこと

です。

以下の研究報告によると、新規事業が失敗する理由に「資金の枯渇」や「チーム構成のまずさ」などの問題も挙げられますが、最も比率が高いのは「顧客にとって価値がなかった」ことが圧倒的です。

参考:CB Insinghts社「スタートアップが失敗する20の理由」をもとにBeth作成

 

顧客が「お金を払ってでも購入したい」と感じる価値のある製品やサービスを生み出せず、それにより売れず、結果として終売になるのが典型的な新規事業の失敗なのです。

このような失敗が自身やチームの責任になると考えると、「もし失敗したら一体自分はどうなってしまうのか」と心配する人も中にはいるかもしれません。

事実、厚生労働省の「精神障害の労災認定」では、事例1には何度もの改定を経ても「新規事業の担当となったことにより、適応障害を発病したとして認定された例」が掲載されています。新規事業に失敗した結果、潰れてしまう人や精神を病んでしまう人が多くいますがあなたが精神的に追い詰められる必要は全くありません。(蛇足ですが、頼れる相棒として外部ベンダーを雇う人が多いのは心の支えという理由もあります)

一時的に会社にいづらくなることもあるかもしれませんが、いづらくなる理由は全くありません。新規事業部から別の部署に移ればいいだけのことで、責任を感じて会社を辞める必要もありません。
新規事業は役員が決めていることなので、変に気負わずにやれば大丈夫です。

とはいっても、もちろん、新規事業に成功することが一番望ましいですよね。

そこで本記事では、新規事業失敗の原因を把握し、失敗を回避するために知っておくべきことを理解して行動できるように、以下のことについてお伝えしていきます。

<この記事を読めばわかること>
・新規事業失敗の1番の原因は「顧客にとって価値がある物を提供できなかったこと」
・顧客にとって価値がなかった新規事業の失敗事例2つ
・新規事業失敗を避けるために指針にするべき5つの行動リスト
・成功者から学ぶ!新規事業に成功するためのマインドセット
・売れる新規事業のアイデア創出、新規事業の立ち上げはプロのコーチングがおすすめ

新規事業失敗のリスクを最小限に抑え、最良の結果を残したい方は、最後まで読み進めてください。

1.新規事業失敗の根本原因とは

はじめに、新規事業に失敗する原因について深掘りしていきましょう。

最大の原因「顧客にとって価値がある物を提供できなかったこと」とは一体どういうことなのか 詳しくお伝えするとともに、会社の中で失敗するもう1つの大きな原因についてお伝えしていきます。

・新規事業失敗の1番の原因は「顧客にとって価値がある物を提供できなかった」こと
・顧客の価値よりも会社で合意を取ることを優先すると失敗に陥る

これらの失敗原因を把握することで、どのような行動を避けるべきか理解できるでしょう。

1-1.失敗の1番の原因「顧客にとって価値がある物を提供できなかった」こと

冒頭でもお伝えしましたが、CB Insinghts社が発表している「スタートアップが失敗する20の理由」によると、新規事業に失敗する1番の原因は「顧客にとって価値がある物を提供できなかった」ことです。

多くの場合、新規事業のアイデアを検討する段階において、重要な観点を正しく理解していないことが問題で起こります。

そもそも新規事業を検討する際に第一に考える観点は「顧客にとって価値がある」です。まず「顧客にとって価値があるものは何か」を徹底的に探すことから始めなければなりません。

参考:図 Beth社 東京商工会議所講演会資料より 抜粋

しかし、そもそもこの点について理解できていない人が多いのです。多くの失敗する会社では、いまのトレンドで儲かりそうなことは?我が社にできることは?だけを考えて、当然ながら売れないという地獄に至ります。
また、この重要性を理解していたとしても、実際にそれを提供するための経験に基づく能力が不足していることでも失敗します。

たとえば、実際に新規事業に失敗した企業で、顧客にとって価値があることを探すために、以下のようなことまでやったという方は少ないでしょう。

・毎日、顧客候補と会話する
・自社の都合は無視
・顧客が喜ぶなら、自分の価値観は無視

顧客にとって本当に価値があるものを探すためには、会議室で話し合うことではなく、外に出て顧客候補と会い、直接話を聞くことです。これができていないと、顧客にとって本当に価値のある物は見つけられません。

さらに、「自分の都合や自分の価値観は無視」と伝えましたが、新規事業のアイデアをジャッジする上位者は、会社や自分の価値観は無視して「お客さんが買うかどうか」を基準に判断しなければなりません。なぜなら、役員はお金を払ってその製品やサービスを購入する顧客ではないから、です。お金を払う顧客以外の第三者の意見は、正直不要です。絶対に購入しないと明らかな人に購買意向のアンケートを意図的に取らないのと同じです。

このように「顧客にとっての価値を重視する視点」が評価を行う側の人間に欠けている場合、それが理由で事業の失敗につながる可能性があるため注意が必要です。

顧客にとって価値があることを徹底的に探すことについてなど、新規事業の検討について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

1-2.顧客の価値よりも会社で合意を取ることを優先すると失敗に陥る

組織やチームでは、みんなの合意を取らなければ前に進めないことが当たり前ですが、みんなで集まって議論して合意を得ながら前に進むもうとすると、高確率で失敗します。

みんなが合意することを優先すると、すでにあるアイデアや、みんなが合意しやすいような無難なアイデアに落ち着いてしまうからです。このような姿勢は、顧客にとって本当に価値があるものを提供できないことにつながります。

例えば、新卒や若者を集めて事業開発をしてアイデアを出させると、見たことがあるようなものや聞いたことがあるような内容がさも当然のように上がってきます。ところが、個人に考えさせると尖ったようなアイデアが出てきます。しかし、尖ったアイデアだと合意されません。合意してもらえないと話が前に進まないので、結局みんなに合意してもらえるようなアイデアを出すことになってしまいがちになります。

見聞きしたことがある選択肢らしきものを挙げて、その中からみんなが合意するものを新規事業として始めてた場合、最良のケースでも他社と差別化できず価格勝負で苦しくなって終わりを迎える、最悪のケースではそもそも売れていない事業をコピーしてしまいご祝儀売れ後は全く売れず大赤字で撃沈します。

重要なのは、社内で合意を得ることではなく、顧客にとって価値があるかどうかです。これを理解できないチームは不適切な人間しか集まっていません。

責任者が責任者として独裁的に決める。これくらいのことをしなければいけません。選択肢をいくつか挙げて、その中から選ぶというどうしようもないことを新規事業ではやらないと明確に決める。失敗しないためには少なくともこれくらいのことは必要です。

2.新規事業で顧客にとって価値があるものを提供できず失敗した事例

新規事業に失敗する1番の原因は「顧客にとって価値があるものを提供できなかったから」とお伝えしましたが、実際にどのようなことを指すのか、事例を2つご紹介します。

ファミリーマート「総投資額200億円のラテ」
・株式会社セブン・ペイ「7pay」

失敗の原因を具体的にイメージするために、これらの事例は最適です。

2-1.ファミリーマート「総投資額200億円のラテ」

出典:Family Mart「プレスリリース

2019年にファミリーマートが発表した総投資額200億円のラテ。圧倒的なふわふわ泡を実現するために、コーヒーマシーンに200億円を投資したということをアピールする広告を打ったこの新規事業は、失敗に終わりました。

その原因は他でもない、消費者にとって本当に価値がある物を提供できなかったからです。

200億円を投資したことをアピールする広告を見て、消費者だけでなく、社内からも以下のような声が寄せられました。

「200億円投資したことをアピールすること自体、消費者心理を全くわかっていない」

確かに、ファミリーマートのコーヒーに対して消費者が求めていることは、「手軽に美味しいコーヒーが飲めること」であって、「コーヒーマシンに200億円かけた」なんていう話はどうでもいいことです。

しかし、ファミリーマートが強調したのは「美味しい」ではなく「200億をかけたこと」でした。自分たちが良かれと思って200億円を強調して提供しているのが、顧客からしたらそんなことどうでも良かったのです。

ちょうど同時期に大量リストラを発表していたファミリーマート。

この事例は、顧客にとって価値がある物を見誤って200億円を”賭けた”のにうまくいかなかった事例といえるでしょう。

2-2.株式会社セブン・ペイ「7pay(セブンペイ)」

出典:株式会社セブン・ペイ

株式会社セブン・ペイの「7pay」は、2019年7月1日にサービスがスタートし、7月3日に大量の不正利用が発覚、9月30日にサービスが終了したスマートフォン決済サービスです。

サービス廃止の直接的な理由は、不正アクセス問題が発覚し、それを受けてシステムの見直しを進めた結果「サービスの継続は困難」と判断したことですが、根本には「そもそも顧客に求められていたのか」という問題があります。

7payに限らず〇〇payを作って軒並み失敗していますが、それはなぜかというと消費者にとって「いらないもの」だからです。

そもそも日本におけるキャッシュレス決済比率は36.0%しかありません。

出典:経済産業省「我が国のキャッシュレス比率を算出しました」

上のグラフからもわかるように、日本では現金で支払いを行う人が圧倒的に多く、キャッシュレス市場は全体の36%しかありません。その上、キャッシュレス決済の中でもクレジットカードによる支払いがほとんどを占めていて、〇〇payと呼ばれるコード決済が占める割合はわずか2.6%しかないのです。

この狭い範囲で、7payはそもそも本当に顧客にとって必要だったのでしょうか。不正アクセスをされるような物を提供した時点で顧客にとって価値がある物を提供できていないことはもちろんなのですが、それがなくても、すでに失敗している世の中のたくさんの〇〇payのように、7payが顧客にとって価値がある物を提供したとは到底思えません。

7payの事例は、システムでシステムで失敗したと言っていますが、そもそも需要がなくて失敗した事例だと言えるでしょう。

3.新規事業失敗を避けるためにやるべき5つの行動リスト

それでは、このような新規事業の失敗を回避するためには、何に取り組み実践するべきなのでしょうか?

この章では、あなたが行動に移しやすいように、失敗を避けるためにやるべき5つのことをお伝えします。

・売上目標の金額を事業開発の依頼者と合意する
・なぜこの売上金額が必要なのか、事業開発をする理由を確定させる
・独裁的に決定する人をおく
・仮説検証を繰り返す
・自分の気持ちを確かめながら進める

実際に新規事業を始める際のチェックリストとしても活用してください。

3-1.売上目標の金額を事業開発の依頼者と合意する

新規事業を始める際は、まず事業開発を依頼してきた社長や役員会などと売り上げ目標の金額をすり合わせて明確にしてください。

売り上げ金額に応じて、新規事業に必要な投資額が変わってくるからです。後から投資金額がいくら必要ですと言っても、NGが出ることも多々あります。

例えば、売上目標2,000億円売り上げたい場合、投資金額の20%程度の売り上げが立つと見越す場合で最低1兆円の投資が必要になります。毎年2,000億円売り上げて、この先100年くらい引っ張りたいというインフラ的なことを考えているなら、10兆円は最低でも投資するのが当たり前です。

売り上げ目標や投資額について話をする際は、最大上限売上目標の50倍くらいの投資が必要と合意をとっておくといいでしょう。売上金額は好き勝手言うのが一般的なので、この程度で大丈夫です。ただし、新規事業担当者がお金の使い方が下手だとうまくいかないので、最大上限50倍使うとして、小さく始めるにはどうしたらいいのかを検討していくことが重要です。

3-2.なぜこの売上金額が必要なのか、事業開発をする理由を確定させる

売上目標の金額を事業開発を依頼してきた人と合意できたら、なぜこの売上金額が必要なのか、理由を確定させます。理由が確定しないと、投資としてキャッシュアウトすることへの説明がつかなくなるからです。

例えば銀行から融資を受ける際には、どうしてこの融資額が必要なのか明確に説明する必要があります。その際に新規事業では「この売上目標をこういった理由で設定している」と具体的に説明できれば、理解を得やすくなるでしょう。

また上場企業の場合は、株主総会において新規事業への投資に関する説明が求められる場合があります。この際に売上目標がいくらで、なぜこの売上金額が必要なのか、どういった理由でこの額を投資するのか、根拠を詳細に説明する必要があります。このような場合においても有効です。

なお、理由を明確にしてそれをチームで共有することは、なぜこの事業をやるのかと言う自社としての軸を持つことになり、モチベーションを保つのにも役立つでしょう。

以上のような理由から、売上目標が明確になったら事業開発をする理由を確定させていきましょう。

3-3.独裁的に決定する人をおく

新規事業を成功させるためには、責任者が責任者が強いリーダーシップを発揮して、必要に応じて断固とした決定を下すことが重要です。そのため、独裁的に決定する人を決めておきましょう。

1-2.顧客の価値よりも会社で合意を取ることを優先すると失敗に陥るでもお伝えしたように、複数人で意思決定を行う場合、合意をとる必要性があり、結果として既知の安全な選択肢を選びがちになります。

例えば、仮説検証のプロセスにおいては、仮説を立てて検証し、その結果に基づいて右に行くか左に行くか次の行動を決定します。しかし、集団で意思決定を行うと、どちらの方向に進むべきか決めかねることがあり、前に進めなくなることがあります。

また、何かを検討する際も集団で行うと、合意を取りやすい無難なアイデアしか出ないことが多く、新規事業と言いながら新しいものにはならないことがあります。

このような事態を避けるために、新規事業を進める際は独裁的に決定する人をおくことが重要です。集団での意思決定は失敗の原因になると心得てください。

3-4.仮説検証を繰り返す

新規事業を検討していく過程の中では、とにかく仮説検証を繰り返すことが重要です。

仮説検証をしないと、顧客にとって本当に価値があるものを作ることができないからです。そのためにはできるだけお金をかけずに、できるだけ多くの回数の仮説検証を繰り返すことが重要です。

例えば、電気自動車を使って何かビジネスをしようと考えたとき、仮説を立てて実験するのは意外と簡単です。200〜300万円の高額な費用をかけて電気自動車を購入する必要はなく、数千円から1万円程度でレンタカー会社から電気自動車を借りて実験することができるからです。

レンタカーなら、使用しない時は返却してコストを節約できます。必要な時だけレンタルし、その都度費用を支払えばいいのです。そうやって現金をなるべく使わないで、仮説検証をたくさん繰り返すことがすごく大事になります。

レンタカーを借りれば安く抑えられるにも関わらず、電気自動車を購してしまったり、1ヶ月単位でリースしてしまうのは間違ったやり方です。どうやってケチるのか、ケチりながら仮説検証をやるのがすごく大事ということを覚えておいてください。

3-5.自分の気持ちを確かめながら進める

新規事業を進めるときは、自分の気持ちを確かめながら進めることが重要です。

我々人間が何かに挑戦するときの感情は、大きく分けると3つと言われています。1つは不安、もう1つは退屈、もう1つは楽しい、この3つです。

下の表は、表選することのハードルの高さとそれをクリアできると感じられるかどうかに伴ってどのような感情が生まれるかを表に整理したものです。

参考:チクセントミハイ著「フロー体験喜びの現象学・フロー体験とグッドビジネスフロー理論」
   苫米地英人著「コーポレートコーチング」を参考にBeth社作成

上の表のフローの部分が「楽しい」です。

縦軸は、挑戦としてハードルが高いのか低いのかです。

横軸は、その挑戦に必要な自己能力の自己評価が高いのか低いのかを表しています。これはコーチングの世界ではエフィカシーと表現したり、別の表現では自己効力感などと呼ばれていますが、何かに挑戦するとき、自分がやり切るだけの能力を持っているかどうかを評価したものです。

挑戦するハードルが高いと思っている時に、やれるだけの自信がないとなると、上の表に照らし合わせると不安になるということになります。

参考:チクセントミハイ著「フロー体験喜びの現象学・フロー体験とグッドビジネスフロー理論」
   苫米地英人著「コーポレートコーチング」を参考にBeth社作成

 

逆に挑戦のハードルが低い時に自分は絶対やり切れると感じると、退屈という感情になります。

これのバランスがちょうどいいところが楽しいと感じるところで、表の中央斜めに流れるフローの部分がそれにあたります。

参考:チクセントミハイ著「フロー体験喜びの現象学・フロー体験とグッドビジネスフロー理論」
   苫米地英人著「コーポレートコーチング」を参考にBeth社作成

このフローの状態、挑戦のハードルと能力のバランスがちょうどいいところを突き進むのがとても大事になります。

ただそうは言っても、上から急に仕事が降ってきて不安になるということはあると思います。不安になったからといって挑戦のハードルを下げるわけにはいかないので、ハードルを下げることなくフローのレベルに行くためには「私はできる」と思えるようにならないといけないわけです。

ではどうすれば「私ができる」と思えるかというと、勉強したり、誰かに助けてもらうしかありません。エベレストを登る時にシェルパと呼ばれるエベレストに精通した人を帯同して登るのと一緒です。勉強する場合は20万円分くらい、つまり200冊程度書籍を購入して読めば、分かった感が出てくるでしょう。

書籍を読むのが難しい場合や、誰かに帯同して教えてもらいたい場合は、コーチングを依頼するのがおすすめです。

コーチングについて興味がある方は、こちらからお問い合わせください。

4.成功者から学ぶ!新規事業に成功するためのマインドセット

新規事業に失敗しないために、成功者から学ぶことはとても有効です。ここでは、以下の3人の成功者のエピソードをご紹介します。

・孫正義(ソフトバンク)
・イーロン・マスク(テスラー)
・松下幸之助(パナソニック)

成功している人がどのようなマインドで新規事業に打ち込んだのか、どのように成功を収めたのか把握することで、どのようなマインドで新規事業に取り組めばいいか、上司としてどのようなマインドで部下に接すればいいか、どのような言葉をかければいいか、参考にしてください。

4-1.孫正義(ソフトバンク)

1981年、孫正義氏は24歳でソフトバンクの前身の会社を立ち上げました。創業日のエピソードと孫氏のマインドをご紹介します。

ミカン箱の演台をこしらえて、その上に立って、社員とアルバイトも熱く語った。

「売上は5年で100億、10年で500億」
「いずれ豆腐のように、一丁(1兆)2丁(2兆)と数えたい」

最初、2人の従業員は黙って聞いていた。しかし、毎日聞かされたのではたまらない。まもなく、2人は会社を去った。

出典:「孫正義 事業家の精神」日経BPマーケティング,p94-95

当時のメンバーは孫正義氏とアルバイト2名の合計3名で成り立っていましたが、このように大きな目標を掲げた孫氏の話を聞いたアルバイト2人は、とても正気ではないと思ったのか、2日後に会社を辞めてしまったのです。

ここで言いたいのは、どんな事業でもたいていの場合1人、または多くても数人の強い信念や思いから始まっていて、誰かが去っても、その人が持つやりたいという強い信念があればそれでいいということです。

ほかの人に理解されなくても、社内で肩身が狭くなっても、陰口を叩かれても、強い信念があれば関係ないのです。これは今や9兆円規模の売り上げを誇るソフトバンクでさえも例外ではありません。

他人に笑われようとなんだろうと、自分の人生は自分で決めて走る。

新規事業に取り組むとき、新規事業を引っ張っていくときにも、必要なマインドです。強い思いを持って、自分でやり切ることが大切です。

4-2.イーロン・マスク(テスラ)

不撓不屈の精神を持つ成功者として広く知られる人物の一人が、イーロンマスク氏です。

2003年のTesla(テスラ)創業以来、世界を持続可能なエネルギーへの移行を加速させることをミッションに掲げているイーロンマスク氏は、次のような訓戒を社員に告げています。

・仲間意識は危ない。相手の仕事に疑問を投げかけにくくなるからだ。仲間を苦しい立場に追いこみたくないという意識が生まれがちだからだ。これは避けなければならない。

・規則と言えるのは物理法則に規定されるものだけだ。それ以外はすべて勧告である。

出典:ウォルター・アイザックソン著「イーロン・マスク」第46章「アルゴリズム」

1章で「会社の中では『合意を取ること』が新規事業の失敗の原因になる」とお伝えしましたが、イーロン・マスク氏はある意味独裁的に、万人の合意が取れないようなことであっても、顧客にとって価値があると思えること、人類の役に立つと思えることをやり抜くからこそ、成功を収め続けていると言えるでしょう。

3-3.独裁的に決める人をおくでもお伝えしたとおり、会社の中で新規事業をやるときは、責任者が独裁的に決めるべきです。「俺がこれをやるといっているからやるんだ。」「責任者は責任者として決めるんだ。」というように進めていくと、斬新なアイデアやこれまでにみたことがないような新規事業アイデアで進めやすくなります。

4-3.松下幸之助(パナソニック)

松下幸之助氏は、パナソニックホールディングスを一代で築き上げた経営者です。

松下氏が重要としていたものに、「よりどころ」=「判断軸」があります。

経営には”よりどころ”が必要である

困難な仕事をやっていくと、その過程で必ず右するか左するか悩むことがある。それは自分に確固たる”よりどころ”がないからである。

出典:松下幸之助著「社長になるために知ってほしいこと」PHP総合研究所,p1

上の赤字で書かれた部分は、実は松下氏ではなく、松下氏の補佐役である高橋荒太郎氏によるものです。
松下氏を支える立場の高橋氏が、どうして名補佐役としてうまくいったのかというと、松下氏の格個たる経営理念を拠り所にしていたからなのです。

 私が一貫して”よりどころ”としてきたものは、松下幸之助創業者の経営理念に基づく基本方針であった。他にるいを見ないこの基本方針こそ、松下電気発展の大きな要素であったと確信したからである。
 以来、私は自分の小さな知恵才覚でものごとを判断するのではなく、松下電気の基本方針に沿って仕事をし、やった仕事をまたそれに照らして謙虚に反省し、検討するというやり方を通してきた。だからこそ、私のようなものでも、そのときどきの重積を果たすことができたのだと思う。

出典:松下幸之助著「社長になるために知ってほしいこと」PHP総合研究所,p.2-3

高橋氏が上記のように語っていることから見ても、松下幸之助氏は「判断軸となる基本理念」=「よりどころ」を提供し、高橋氏はその基盤に基づいて意思決定を行なったことで、パナソニックは大きな成功を収めていきました。

新規事業をやるときも、同じことが言えます。新規事業を検討する中で悩んだ時には、基本理念を基にして判断すれば、成功への道が開けるでしょう。責任者は、メンバーの判断軸となるような基本理念を示すことで、メンバーを成功に導くことができます。またメンバーも、基本理念を判断軸として使えば、最善の判断がしやすくなるでしょう。

新規事業の責任者になる程の人は、社長予備軍といっても過言ではありません。言われたことを言われた通りにやるただのサラリーマンではなく、言われてもないことで収益を生み出す新規事業の責任者は、もはや社長と同様の働きをしていると言ってもいいほどです。

松下幸之助氏の著書「社長になるために知ってほしいこと」は、新規事業の責任者におすすめの1冊です。ぜひ読んでみてください。

5.売れる新規事業アイデアの創出、新規事業立ち上げはプロのコーチングが絶対おすすめ

新規事業を成功させたいなら、新規事業のプロによるコーチングがおすすめです。

顧客にとって本当に価値があるものを生み出すことや、3章でお伝えした失敗を避けるためにやるべきことを的確に進めるためには、経験がないとうまくいかないからです。

多くの経験を積んだ経験者、新規事業立ち上げのプロによるによるコーチングを依頼すれば、新規事業の立ち上げを伴走してもらえるだけでなく、考え方を学びながら進んでいくので、自分たちで新規事業を立ち上げられるように能力を高めてもらうことができます。また、コンサルティングとは異なり、最終的に自立できるようになるのも特徴です。

Beth合同会社では、数々の新規事業立ち上げに関わってきた経験をもとに、数千万円から数兆円規模の新規事業立ち上げのお手伝い、伴走をしています。

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6.まとめ

この記事では、新規事業失敗の原因とし@杯しないために知っておきたい情報についてお伝えしました。

新規事業を失敗させないイメージは持てたでしょうか。

最後に、失敗させないためのチェックリストをおさらいしましょう。

・新規事業を始める目的を明確に定義する
・仮説検証を繰り返す
・経験者に相談する

経験者に相談したいけど気軽に相談できる人が思いつかない場合は、ぜひBeth社にご相談ください。経験者としてあなた新規事業を成功に導くお手伝いをします。

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Beth合同会社はDXや新規事業案の創出、デザイン思考の導入支援などを行っています。
「新しい取り組みを前に進めたい」という意思を持っている企業に寄り添い、変革を最短距離で走り切ることで、これまで大手~中小企業など様々な企業の挑戦で成功を収めています。全体の構造を明らかにして現在地とゴールをはっきりさせ、最小限の行動で小さく現実からフィードバックをもらうBethのアプローチは、DX推進の強力なバックアップになるはずです。

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