DX支援サービス|利用基準・支援の流れ・支援サービスの選定方法を解説

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私が書きました 河上 泰之

DX支援サービスとは、DX実現のために技術や組織の変革などを支援するサービスです。サービスを提供する企業ごとに支援内容は異なります。

DX支援サービスは、大きく分けて技術支援とビジネス変革支援に2種類があるため、どのような支援を受けたいのかを明らかにし、どの企業のサービスを利用するかを判断する必要があります

そのためにも、どのような支援を受けられるサービスがあるのかを理解して、サービスを選ぶことが重要です。

本記事では、以下の内容を詳しく解説しています。

  • DX支援サービスの種類
  • DX支援サービスを利用する基準
  • DX支援サービスの流れ
  • DX支援サービスの選定方法
  • 政府のDX支援について

この記事を読むことで、自社が希望するDXの支援を行う企業をどのように探せばいいのかがわかります。
また、政府のDX支援となる補助金や税制についても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

1.DX支援サービスは2種類に分けられる

DXの支援サービスは、以下のように大きく2種類に分けることができます。

  • 技術支援サービス
  • ビジネス変革支援サービス

これらの違いを理解していないと、援を依頼する企業選びに失敗してしまったり、DX実現後に導入した技術を活用しきれなかったりする可能性があります。

それぞれのサービスについて詳しく解説しますので、どのような違いがあるのかについて理解しましょう。

1-1.DX支援サービス①技術支援サービス

技術支援サービスは、以下のようなデジタル技術やシステム構築を支援するサービスです。

  • IoT活用支援
  • ソーシャル技術活用支援
  • デジタルマーケティング支援
  • データ分析・AI活用・自動化支援

新しい技術を導入する際のサポートを受けられ、システムの導入後に自社で維持や管理ができるように指導をしっかりと受けられるサービスなどもあります。逆にそのサポートで金を稼ぐために、導入コストは安いサービスもあります。

ただし。前提があります。
導入した技術を活かしてどうやって儲けるのかビジネスを検討する部分と、そのビジネスを運営するための業務フローの構築は、自社で進める必要があることを覚えておきましょう。お金を払って、ビジネスを手に入れるのは、M&Aか、フランチャイズです。(そして、それも有力な選択肢です)

1-2.DX支援サービス②ビジネス変革支援サービス

ビジネス変革支援サービスは、以下のようなDXの実現に向けた体制を整えるためのサポートを行うサービスです。

  • DX人材育成
  • 業務プロセスの変革
  • デジタル戦略の策定
  • 組織体制の変革

ビジネスモデルの設計やDXの実行支援コンサルティングなど、DX実現に向けた手厚いサポートが受けられます。実際に運用していく体制を構築するために大きな変革が必要となるDXにおいて、ビジネス変革支援サービスは大きな助けになるでしょう。

1-3.ビジネス変革支援サービスの需要が高い

上記の通りDX支援サービスには2種類ありますが、需要が多いのは「ビジネス変革支援サービス」です。

IDC Japanが発表した「デジタルサービス(デジタルトランスフォーメーションを支援するITサービス/ビジネスサービス)の需要動向調査」によると、DXを推進する大企業の約8割はなんらかの支援サービスを利用しており、全体の半数以上がビジネス変革支援を受けていると回答しました。

出典:IDC|国内DX支援サービスの需要動向調査結果を発表

また、回答者が最重要であると考えるDX支援パートナーでもっとも多かったのが「コンサルティングファーム」であり、今後も技術支援ではなくビジネス変革支援の需要が高まるのではないかと予想されています。

2.DX支援サービスを利用するかの判断基準は「従業員100人以上」

DX支援サービスは、従業員100人以上の規模の企業でなければ利用をおすすめできません。なぜなら、それ以下の規模の企業だとDX支援サービスの費用に対して、得られる効果が見合わないものとなってしまうからです。

また、補助金を利用してPCを購入する・・・といった提案も見受けられますが、DXとして取り組むのはお勧めしません。多くの場合は売れ残ったセール品を購入する程度の補助金しか出ず、カメラ機能のないPCを買ってしまったためにテレワークができないといった悩みを抱えます。ある商工会議所から、会員企業が散々騙されているとの相談をBeth社で受けました。もはや詐欺、ともいえます。ほんとうに残念でなりません。

100名未満の組織の場合、各業務をデジタルのみで完了させるためにどのSaaSの利用を前提として業務マニュアルを書き換えることを考えていくことが重要です。例えば、経費精算をデジタルのみで完結させるために、備品購入先の会社はどこに絞るのか、タクシー移動の場合はGoアプリの活用を必須としてデータで利用情報と金額を受け取るようにする、などです。システムに合わせて業務を変えることができると、もっともDXの完了に近づきます。そしてこの業務変更が容易なのは小さな会社です。断言しますが、大企業は業務変更そのものが極めてハードルが高いものとなります。

やってはいけない地獄へ綺麗に舗装された道もあります。それが、既存の紙や人を使った業務プロセスを前提として、その一部をデジタルにすることです。例えば、小売店の決済で現金を使っていたところに電子マネーを入れても、現金を管理する(お釣りを用意したり、現金出納帳をつけたり、金庫番を雇ったり)といった業務は残ったままになり、さらに電子決済システムの操作まで覚えることになります。現場の負担が楽にならないのは、アナログを基本として一部をデジタル化するからです。

そうではなく、デジタルで完結させられるようにするために、どのSaaSを使い業務マニュアルをどう書き換えるか。これが100名未満の組織にとって、即効性のあるDXです。

また、絶対に開発はしてはいけません。開発ればするほど開発コストが高まり、不安定性が増し、保守費用も高くなります。この時代では、SaaSで良いものがいくらでもあるので、ぜひそれを使う前提で、業務マニュアルを見直してください。

逆に、企業規模が大きいほど、システムが複雑化しているなど課題が大きくなるため支援サービスの効果を得やすくなります。その目安となるのが従業員100人以上です。

DX支援サービスを利用するか迷った場合には、これを基準にして判断してみましょう。

3.DX支援サービスの流れ

DX支援サービスを利用した場合、どのような流れでDXが推進されていくのかについて、DXコンサルティング企業に依頼した場合を例に見てみましょう。

  1. 企業の現状をリサーチやヒアリングで把握し、そもそも本当にDXを行うのか決める
  2. 目的の策定を行い、経営者や責任者の同意を得る
  3. 全体の方向性やスケジュールなど、戦略を立案・決定する
  4. 現状課題を解決するために、調査や検証を行う
  5. 難易度やコストなどを基に、DX推進の優先順位を決定する
  6. 現場に近い業務のデジタル化を行う
  7. 企業全体のワークフローをデジタル化する
  8. 上記とは別の話として新規事業を検討したり、既存の事業のビジネスモデルを変革する
  9. 定期的に運用を見直し、PDCAサイクルを回す

これらに加えて、人材育成などが行われることもあります。
業界・要件・依頼先の企業によって進め方は異なりますが、おおむね上記のような流れで進むでしょう。
1つ注意があります。
これは正しいのですが、じゃぁこれで進むのかというと進まないで、金ばかりかかります。新規事業の専門家である河上泰之として断言しますが、コンサルティングサービスが一番儲かるようにするためには、「必須でやらないといけないかではなく、やったほうが良さそうに思えることをたくさん行わせる」ことです。なので、一般論は上記ですが、それはあくまでもコンサルティングサービスを提供する側が儲けるための「やったほうが良さそうに感じるもの一覧」ということを踏まえて、自社にとって必要なものだけに絞ることをお勧めします。

4.DX支援サービスの選定方法

多くのDX支援サービス企業の中から、自社の希望に合致する企業を見つける方法は以下の通りです。

  • 依頼したい内容の支援が行われているかを確認
  • DX支援サービス企業の過去の実績を確認
  • どのような支援形態か

これらの方法で、どのように選定をするのかについて解説します。

4-1.依頼したい内容の支援が行われているかを確認

はじめに確認すべきことは、DXに関して依頼したい内容の支援をしている企業かどうかです。支援企業ごとに得意領域は異なるため、どのような支援を希望するかによって選ぶ企業は変わります。

前述した「技術支援サービス」と「ビジネス変革支援サービス」のどちらが必要かを選択し、具体的にどのような範囲で支援をしてもらいたいかによって支援企業を選びましょう。

企業ごとの得意領域は、企業のホームページや問い合わせで確認しましょう。

4-2.DX支援サービス企業の過去の実績を確認

DXで実現したい目標と似たような実績を持つDX支援企業を選びましょう。実績があるということは、知識やノウハウを持っているということなので、DX実現の成功率が高まるからです。

実績はホームページに掲載されている場合が多くあります。具体的にどのような支援を行ったのかが記載されていない場合は問い合わせで確認してみましょう。

問い合わせをする場合は、「DXのどんな課題に対して、どのように取り組んだのか」について質問してみてください。

4-3.どのような支援形態か

DX支援サービスは、企業によって支援内容だけでなく支援形態も異なります。例えば、常駐型の実行支援でDXの実施までサポートをする企業もあれば、定例会などで必要に応じて対応や提案などを行う企業もあります。

どのような支援形態なのかを理解していなければ、希望通りの支援を受けられなくなる可能性があるので、DX支援サービス企業に問い合わせる際にどのような支援を受けたいのかを先方に伝え、支援可能かどうかを確認しましょう。

5.政府における3つのDX支援

DXを実現し目標を達成するためには、DX支援サービスだけでなく機器やソフトウェアの購入、クラウドサービスの導入など多くの費用がかかります。政府はDX推進のためにいくつかの支援を行っていますので、支援を活用してDX推進の負担軽減に繋げましょう。

  • DX推進に役立つ税制・補助金は以下の通りです。
  • DX投資促進税制
  • IT導入補助金
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

では、これらの税制や補助金について、対象事業者や適用金額・補助金額を解説します。

5-1.DX投資促進税制

DX投資促進税制とは、DXを推進する企業に対する優遇措置制度です。クラウド化などデジタル環境の構築による企業変革のための投資に関して、税額控除または特別償却ができます。

DX投資促進税制は、2023年3月31日までが適用期間です。優遇措置を受けるには、適用期間最終日までに経済産業大臣による事業適応計画の認定を得て、設備投資を始めている必要があります。実際にシステムを導入してデータの連携も行なっている必要があるため、この税制を利用したい場合はスピード感を持って行動しなければなりません。

また、事業適応計画を作成するにあたって取り組み内容や財務状況などを明らかにしなければならず、認定も提出から1ヶ月ほどかかります。認定を得るまでに時間がかかりますので、余裕を持ったスケジュールを組んで早めに行動しましょう

5-1-1.対象事業者

DX投資促進税制の対象となる事業者は、青色申告書を提出する認定事業適応事業者です。つまり、青色申告を行なっている法人であれば、大企業だけでなく小規模事業者も対象となります。

5-1-2.税制措置

DX投資促進税制の優遇措置は、「税額控除」と「特別償却」のどちらかを選択することができます

出典:税制ホームページ

税額控除は、税額に対して直接控除を受けることができ、DX投資促進税制では原則控除率3%、グループ会社以外の他社とのデータ連携に関わるものに関しては控除率5%です。

大きな金額が必要となるDX推進において、3%と5%では控除金額に大きな差が出る可能性が高いため、5%で控除を受けられるものはどれかを事前によく確認しましょう。

対して、特別償却は減価償却処理の特例措置のことを指します。通常の減価償却は何年にもわたり計上していく必要があります。しかし、DX投資促進税制の特別償却30%を適用した場合、通常の減価償却費に加えて取得価格の30%を追加で計上することが可能です。

特別償却は、本来何年かにわたり償却する必要がある費用を先に償却する処理であるため、通常の減価償却と比べて税額のトータルは変わりません。

しかし、初期費用がネックとなりやすいDXにおいて、特別償却は導入初年度の資金繰りを助ける税制である言えます。

税額控除と特別償却は、複数の設備に対して使い分けることができます。例えばAとBという設備を導入した場合、Aには税額控除の措置を受け、Bには特別償却の措置を受けられるということです。どの設備にどちらの措置を受けるのかは、社内で充分に検討しておきましょう。

5-1-3.適用金額

DX投資促進税制の適用金額は以下の範囲です。

※1「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」の控除を受ける場合は、合計で法人税額の20%まで

5-2.IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者がITツールを導入した際の経費が一部補助される補助金です。ITツールを導入することで、生産性の向上を促すことを目的としています。

IT導入補助金には申請枠が2パターンあり、それぞれ補助対象や補助金額が異なります。

5-2-1.申請枠の種類①通常枠(A類型・B類型)

通常枠と呼ばれるA類型とB類型は、以下のようなものが補助対象経費とされています。

  • ソフトウェア費
  • クラウド利用料1年分
  • 導入関連費 等

補助金の交付決定日以降に、契約や支払いを行ったものが対象になります。

補助金の申請額と補助率は以下の通りです。

出典:IT導入補助金

上記の表を見て分かる通り、A類型とB類型の違いは補助金の申請額です。補助率はそれぞれに違いはなく、どちらも2分の1であるため、ITツールを導入した際の費用の半分が補助金で賄えるということです

A類型とB類型申請条件が異なります。B類型は指定のプロセスのうち、4つ以上のプロセスを担うITツールでなければいけなかったり、事業期間内で給与支給総額の増加目標(年率平均1.5%以上等)を表明することが必須であったりと、A類型よりも条件が厳しくなっています。その分、補助金の申請額が増えるということです。

5-2-2.申請枠の種類②デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)

デジタル化基盤導入枠は、以下のようなものが補助対象経費になります。

  • ソフトウェア購入費
  • クラウド利用料最大2年分
  • ハードウェア購入費
  • 導入関連費 等

IT導入補助金2022」で公開予定のITツールが補助金の対象とされています。

出典:IT導入補助金

こちらの枠は2022年にインボイス制度への対応を見据え新たに設置された導入枠です。補助率が通常枠よりも高いという特徴がありますが、導入するツールに以下の機能を必ず1種類以上含むことが条件となります。

  • 会計
  • 受発注
  • 決済
  • EC

また、ソフトウェアの使用に関わるものであれば、パソコンやプリンターなどのハードウェアも対象となるのが通常枠と異なります。

インボイス制度とは

インボイス制度とは2023年10月からスタートする制度で、「適格請求書保存方式」のことを指します。所定の記載要件を満たす請求書をインボイスといい、インボイスの発行・保存によって消費税の仕入額控除を受けることができます。

5-3.ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(以下ものづくり補助金)は、生産性向上を向上させるためのサービス開発や、生産プロセス改善のための投資をサポートするための補助金です。業種に関係なく申請することができ、生産性向上に繋がる設備やシステムの導入であれば補助の対象になります。

ものづくり補助金にはさまざまな枠が用意されていますが、一般型の中に「デジタル枠」が用意されており、DXを支援するための枠となっています。

5-3-1.対象事業者

補助の対象となるのは、以下の要件を満たしている事業者です。

  • 付加価値額を年率平均3%以上増加
  • 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加
  • 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする

これらを満たす、3〜5年の事業計画の策定・実行が基本要件とされています。

ここで条件となる「付加価値額」は、以下のように算出します。

【付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費】

つまり、付加価値額が1年に3%以上プラスとなるような事業計画が必要となり、そのほかに賃上げの条件もクリアする必要があります。

5-3-2.補助金額と補助率

補助金額と補助率は以下の通りです。

出典:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

枠によって補助上限額や補助率が異なります。デジタル枠は補助上限額が750〜1,250万円で、投資額の3分の2が補助されるということです。

まとめ

DXの支援サービスは、以下のように大きく2種類に分けることができます。

  • 技術支援サービス
  • ビジネス変革支援サービス

技術支援サービスはデジタル技術やシステム構築を支援するサービスで、ビジネス変革支援サービスはDXの実現に向けた体制を整えるためのサポートを行うサービスです。

DX支援サービスは費用に対する効果を得るためにも、従業員100人以上の規模かどうかが判断基準になります。

DX支援サービスを選ぶ際には、以下のように選定しましょう。

  • 依頼したい内容の支援が行われているかを確認
  • DX支援サービス企業の過去の実績を確認
  • どのような支援形態か

DXには多くの費用が必要になるため、次のような税制や補助金を上手に活用することも、ぜひ選択肢に入れてください。

  • DX投資促進税制
  • IT導入補助金
  • ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

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Beth合同会社はDXや新規事業案の創出、デザイン思考の導入支援などを行っています。
「新しい取り組みを前に進めたい」という意思を持っている企業に寄り添い、変革を最短距離で走り切ることで、これまで大手~中小企業など様々な企業の挑戦で成功を収めています。全体の構造を明らかにして現在地とゴールをはっきりさせ、最小限の行動で小さく現実からフィードバックをもらうBethのアプローチは、DX推進の強力なバックアップになるはずです。

インタビューやアイディア出し、プロトタイプ作成、ビジネスモデルやシステム/アプリの設計まで支援し、最終的には自社のみで自走できる状態を作ります。ぜひ一度お問合せください。

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